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フウセンカズラに情

夜中なかなか寝付けず、開き直ってツイッターで、眠れん、など色々ポストしていた。そして午前3時過ぎにようやく意識を手放したようだ。朝スマホを見ると、親愛なるフォロワーたちから「一緒〜!仲間だよ〜!」とリプライが届いていて、みんな眠れんかったんやな……と、仲間がいたことを嬉しく思うと同時に健康でいてほしいと心配に思い、メッセージから優しさをしみじみと感じていた。
何故か夜は思考が忙しくなる。日中そうである分には、書くなり別のことをするなり対処できそうなものだが、床に就くにつけて、頭の中が忙しくなってしまうようだ。特に、気にかかる事柄でいっぱいになっている時ほどそうなる。人間、そういうものなのかもしれん。こういう時こそ、電源が切れたみたいにして、朝までコロッと眠ってしまいたい。

昼前から雨が降り、ついにはけたたましい通知音と強いバイブレーションと共に、警報のエリアメールが届いた。しとしとと降る雨の音を聞きながら読書して、雨粒で濡れた庭の植物を静かに楽しみたいのに、その雨音は、蛇口のハンドルの調節がおかしいんじゃないかと思うほどに、ザバザバとうるさい。

今日は出る予定にしていたが、警報級の大雨とのことだったので、やむなく予定を変更した。(ニート&一人での予定だったのでそれは容易であった。)それに、寝不足であったため、布団を片付けた所に枕だけ放ってまた横になった。図書館で借りた本を読み耽り、寝る。もう今日は、何もしてないと思っても仕方ない、晴耕雨読というわけで本を読んだのだ。と実に堂々とゴロゴロしていた。

この雨に、畑とグリーンカーテンの水やりをお任せしている。別にわざわざ天候がそうしてくれているわけではないが、頼むね、といった気持ちになる。
のそのそ起き、庭に出てグリーンカーテンの様子を見る。内側から見てだが、右から、ゴーヤ、キュウリ、フウセンカズラ、おかわかめがツルを伸ばしている。ゴーヤは一番果がぶら下がっていた。キュウリも以前の収穫からまた実をつけ始めている。おかわかめも脇芽がたくさん出てきた。フウセンカズラは勝手に生えてきて伸びている。
フウセンカズラは、名前のごとく風船状の果実をつける。ふくふくとした緑色の薄い膜の中には、黒地に白のハートような模様のある種が数個入っている。これがなかなかにかわいい種なのだ。それで、その風船がポトリと落ちた所に、次の年になるとハート模様の種から芽が出る。 

今年は食えるやつだけ植えよう、という風情もクソもない考えで、フウセンカズラは植えていなかったのだが、キュウリとおかわかめの丁度真ん中に、いつぞやの種が発芽して育ったようだ。これが元気なものだから、ここに生えているのは全部植えたものだと勘違いしそうになる。
気ままに伸びるフウセンカズラを見ていると、両隣の食えるツルたちに「いやぁ、夏が来ますなぁ」なとど言っているようにも思える。時季が来て、偶然良いスペースに生えてきただけだが、笑顔で後頭部をポリポリかき「すみませんね〜」と言いながらモリモリ育ってきたのを無下に引き抜く気にもならない。もちろんそんなことは言っていないのだが、なんかこれに限っては、意思を持っていてかつ社交性があるように見えてしまう。憎めないやつだ。
元々はグリーンカーテン要員として植えたのだし、そして実際活躍してくれた。小さく白い花も風船も、可愛らしくてよく写真に撮った。
このフウセンカズラはなかなかにラッキーなやつなんじゃないか。人間が勝手にこじつけてそう思ってるだけだが。
来週は晴れる日があるみたいだから、これからはフウセンカズラにも水をやろう。

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