誕生日、ヘミングウェイの舟に乗る。
誕生日を迎えた朝。
夜更かしも出来ずに寝て早く目が覚めた。
スマホの通知が何件か入っていた。当の本人は寝てしまっていたというのに律儀な友人達がお祝いのメッセージをくれたようだった。
有給をもぎ取れなかった僕はいつもと変わらず仕事へ向かう為準備を始める。
歯を磨いて、顔を洗って、アイボンをして。
昨日切り忘れたエアコンの電源ががきちんとOFFになった事を確認して鍵を締めた。
昼休憩。
僕は飲み物を買いに行く途中で本屋に寄った。気になっていた本を買うためだ。
ヘミングウェイの老人と海。碧色の水中から舟を見上げる様な表紙にずっと惹かれていた。海外文学にはまだ馴染みがないけれど、ずっと気になっていた。
だから僕は誕生日というワードに背中を押されて舟に乗った。今は老人がテラスでお酒を飲んでいる所。少しずつこの海に馴染んでいきたいと思う。
そういえば、もう蝉が鳴いていない。
ふと思っただけです。
今日はこの辺で。
良い夢を、おやすみなさい。
2024.8.21