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読書のきろく-2019年- No.41~50

2019年に読んだ本のきろく、第5弾。
41冊目から50冊目。

9月末から11月にかけて、読書の秋に読んだ本が並びます。

読んで、書く。
そこまでセットで、50冊をめざしてスタートしたのが「読書きろく」です。

◆41冊目:過保護なくして親離れはない

心の専門家、河合隼雄先生が語る、過保護、親離れ。
今の日本での子育ては、難しいのが当然で、「苦楽(くるたの)しい」もの。
それを共有できるだけで、気持ちはずいぶん軽くなるのではないでしょうか?
頭で理解してはいけない、母親のよきパートナーになることが父親の役目
、依存と自立は反対概念ではない、など、大切な指針が語られています。

◎過保護なくして親離れはない
◎河合隼雄
◎出版芸術社

◆42冊目:利休にたずねよ

SNSで紹介されていた気になった本。
「読みごたえがあります」との紹介の通り、読みごたえがありました。すごくおもしろかったです。
主人公は、戦国時代の茶人、千利休。かたくなに「美」を追求する姿勢に、ぐんぐん引き込まれていきました。
お茶の世界を知っていたら、さらに楽しみが深まるであろう作品です。

◎利休にたずねよ
◎山本兼一
◎PHP研究所

◆43冊目:終末のフール

これも、SNSで紹介されていたのをきっかけに読んだ本。
「8年後に小惑星が衝突し、地球が滅亡すると予告され、5年が経過した頃」という設定の物語。
いろんな生き方を選択する人がいて、自分だったら・・と考えてしまいます。
「あなたの今の生き方は、どれくらい生きるつもりの生き方なんですか?」
というセリフが、すごく心に残りました。

◎終末のフール
◎伊坂幸太郎
◎集英社文庫

◆44冊目:縁は異なもの

最近好きな、河合隼雄先生と著名人の対談本。
『心』の世界と『美』の世界。それぞれ違う分野の達人だけど、そこに挑む姿勢には通じるものがあるようです。
カウンセラーの大先生と一緒に会話を楽しんでいる感覚になれることに、一種のカウンセリング効果もありそうな気がした作品です。

◎縁は異なもの
◎河合隼雄・白洲正子
◎光文社知恵の森文庫

◆45冊目:火天の城

42冊目の『利休にたずねよ』がおもしろくて、ほかの作品も読んでみたいと手に取った一冊。
織田信長の居城、安土城の築城を指揮した、棟梁父子の物語。
昔の職人さんが、木や石の声を聴きながら、すべて手作業で巨大な建造物を作り上げる。その姿が、目の前に描き出されました。
今年読んでおもしろかった小説のトップ5に、この作品を選びました。

◎火天の城
◎山本兼一
◎ 文春文庫

◆46冊目:私は、看取り士。

今年読んで、すごく心に残った本の一冊です。
人が亡くなるその瞬間、人生の旅立ちに寄り添うのが『看取り士』。
どんなことをしているのか、その現場にいる人たちにどんな体験が生まれるのかが書かれています。すごく感動的です。
子どもの頃、「死」はよく分からない、恐怖の対象でしかありませんでした。その怖さがなくなったとは言い切れないけど、穏やかさを感じられるようになりました。

◎私は、看取り士。
◎柴田久美子
◎佼成出版社

◆47冊目:とりかへばや、男と女

平安時代末期頃に書かれた『とりかへばや物語』を、西洋の物語とも比較しながら心理療法家が読み解いた本。
姉と弟がそれぞれ性を逆転させて男と女として育てられ、成人して宮廷の要人となり、出世も結婚もする。そんな物語が、遠い昔にも存在していたということに驚きました。
男と女、単純には語れない、深いテーマなんだと思います。

◎とりかへばや、男と女
◎河合隼雄
◎新潮文庫

◆48冊目:いまなぜ青山二郎なのか

河合隼雄先生との対談で白洲正子さんを知って、読んでみた本。
装丁家という存在、青山二郎という存在、まだまだ知らないことがたくさんあるなと思いながら。
今とは、時代もここに出てくる人たちが生きてきた背景もそれぞれ違うけど、「生きる」力を感じさせられるものがありました。
大人の世界を教えてもらったような気もします。

◎いまなぜ青山二郎なのか
◎白洲正子
◎新潮文庫

◆49冊目:女は男の指を見る

類人猿や鳥類の分析も交えながら、命を残す男と女の生存戦略が語られています。生き残りをかけた生き方は、好き嫌いで語れないものがあるんですね。
図書館で見かけてこの本を手に取ったのは、47冊目の『とりかへばや、男と女』を読んでいたからだと思います。
読んだ本が、次の”ふと気になる本”につながるのも、本を読むおもしろさではないでしょうか。

◎女は男の指を見る
◎竹内久美子
◎新潮新書

◆50冊目:朝が来る

特別養子縁組によって子どもを迎えた夫婦と、その夫婦に我が子を託した女性(女の子)の子の物語。
恋愛と望まない妊娠、人のつながりと裏切り、そんな社会の光と影が描かれています。決して空想の話とは言い切れません。
人のやさしさ、純粋さを、信じ続ける側でいたいと思いました。

◎朝が来る
◎辻村深月
◎文藝春秋

50冊はいきたいと思って始めた「読書のきろく」。
読むだけなら無理な話ではありませんが、読んでどう感じたかを言葉にして書き留めるとなると、そう簡単にいかないこともありました。

とりあえずここまではいきたいと思っていたラインに到達できて、ホッとしたのが50冊目。

2019年の読書のきろくは、第6弾へと続きます。

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