締め切りに追われるよりも

締め切りに
追われるよりも
追いかけろ

10年ほど前、仕事でお世話になった先輩に教わったことばです。こころの俳句っぽくしてみました。

「締め切り」は、誰かと交わす何らかの約束の期日。今すぐには完成しないものがあるから、その日に向けて準備を重ねて仕上げていきます。
こいつが不思議なもので、遠くにいるときには無口でおとなしいのに、近づくと急に追いかけてくるらしいんです。目が合ったら、もう逃げられない。どんどん大きくなって、心が恐怖で覆われてしまいます。だからなのか、ネガティブな印象を持たれやすい。

でも、本来は違うはずだよねと先輩は言いました。

打合せをして、こういうものを完成させたいというお互いの合意があり、その実現のために設けた日が「締め切り」。そこに到達することは、思い描いた世界に近づいた証。だから、待ち焦がれるし、たどり着けたらうれしい。

これは、捉え方の違いと言えばそれまでだけど、気持ちの切り替えだけでそう思うのは無理。
約束を交わした以上は、やるべきことが必ずある。そこに対して何も手を付けなかったら、当然、何も進まない。そんな状態は、締め切りを喜べるかどうかの問題ではなく、お互いに不幸になるだけ。

一日の進み具合は少しでもいいから、何かを積み重ねること。
何かの資料を作るなら、1ページでも1行でもいいから打ち込んでみたり、アイデアをひとつメモに残すだけでもいい。調べものがあるなら、本を読んだり、インターネットでいくらでも情報収集できる。誰かと話すためのアポを取るという行動かもしれない。
ひとつの行動での変化は小さくても、積み重ねたら確実に前に進む。背中を見せない限り、締め切りから追いかけられて逃げたくなることはない。
自分から追いかけるんだ。

そんな感じのことを、話してくれました。

今日は、依頼を受けた仕事の締め切り日で、無事にお届けすることができました。ほっとしています。

約束を交わしてから期日までの期間が長いと、ちょっと油断してしまう僕がいます。だから、スケジュールに「締め切り」と書き込むのは、約束した日の前の日。そして、先輩から教わったことを思い出し、その日を追いかけていくよう心がけています。

次の締め切りは、来週木曜日。追われないように、追いかけていきます。