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誰もいない家、テーブルにはチーズパン

ある金曜日の夜遅く。男が家に帰ると、家の中はひっそりと静まり返っていた。リビングの電気を点けても、誰も見当たらない。男の妻は、子どもを連れて実家に帰っていた。
男が目を向けたテーブルの上には、パンが置かれている。チーズがふんだんに使われたパン。チーズは、妻が一番苦手な食べ物だ。食材として料理に使うことはなく、ピザの出前を取ることすらない。

男は思った。
「普段は、私が苦手だから家でチーズ食べられなくてごめんね。せめて、私がいない時ぐらい食べてね。あなたは、チーズ好きだもんね。」
きっと、そんなメッセージが込められていると。

同じ時間、遠く離れた街のマンションの一室で。
男が家に帰ると、家の中はひっそりと静まり返っていた。リビングの電気を点けても、誰も見当たらない。男の妻は、子どもを連れて実家に帰っていた。
男が目を向けたテーブルの上には、パンが置かれている。チーズがふんだんに使われたパン。チーズは、妻が一番苦手な食べ物だ。食材として料理に使うことはなく、ピザの出前を取ることすらない。

男は思った。これは、妻からのメッセージだ。
「もう、あなたには愛想が尽きました。子どもを連れて、実家に帰ります。前に、結婚してからチーズが食べられないのが残念だって言ってましたよね。私が嫌いなの知ってるくせに。そんなに食べたいなら、これから思う存分食べてください。」

後半、ちょっと無理がありますね。

今回は、まだ子どもが小さかった頃のエピソードをもとに書いてみました。冒頭は、僕より一日早く休みが取れた妻が、子どもを連れて一足先に実家に帰省した日のワンシーンです。僕が家に帰ると、チーズを使ったパンがテーブルの上に乗っていました。
妻は、本当にチーズが苦手です。僕は、どちらかと言うと、好き。

で、パンを買ってくれてるとは知らずに帰ってきて、しかも普段ならあり得ないチーズに驚いて、その時の受け取り方みたいなものを、ブログに書いたんです。
妻からの愛情だと思うのも、当て付けだと思うのも、どちらも受け取り方次第。ある意味、勘違いです。
どうせなら、嬉しくなる勘違いをしたいよね、とまとめていました。

勘違いって、ひょっこりやって来るから、結構やらかしてしまいます。

過去の投稿を読み返しながら、平和な勘違いをしていきたいと、改めて思いました。

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