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受け取り方の違いを学ぶ事例集『見やすくする』

受け取り方の違いは、ちょっとしたズレがトラブルを引き起こす原因になります。
職場ではこんな事例があります。あなたの周りでは、似たようなことは起きていませんか?

<課長> この前、修正を依頼した資料の件だけど、どこも直ってないじゃん。
<部下D> えっ?ちゃんと直しましたよ。
<課長>どこが?
<部下D>ほら、グラフの部分。「見やすくしておいてくれ」って言われたから、カラーにしておきました。
<課長>色をつけろなんて、ひと言も言ってないだろ。グラフ部分が細かすぎて見づらいから、ひとまわり大きくしてくれっていう意味で言ったんだよ。
<部下D>私は「見やすくしろ」とだけ言われたから、カラーにしたんです。
<課長>だいたい何年、一緒に仕事をしてんだよ。それくらい気を利かせてくれよ。
<部下D>・・・・。
<課長>最近わざとやってるだろう。
<部下D>・・・・。
<課長>なんだよ。都合が悪くなるとだまるのかよ。もう、いいよ。他の人に頼むから。

■2013年 日経ビジネス人文庫
 内田和俊 著 『最強チームのつくり方』p.57 より引用

このやり取りを読みながら、会社員時代に僕も何度も資料の作り直しをしてたなと思い出しました。
上司が意図したものと僕の対応のズレ、よくありましたね。。。

◆どっちが悪い?

先ほどの事例で、険悪な雰囲気になってしまった課長と部下、悪いのはどちらだと思いますか?

勝手に色を付けた部下?

的確な指示をしなかった課長?

どちらでしょうか??

これに正解があるとすれば、
「両方悪い」。

2択じゃなくてズルいと思いましたか?

部下は、
「見やすくするために、色をつけたらいいですか?」
と確認すればよかったですよね。

課長は、それこそ
「グラフ部分が細かすぎて見づらいから、ひとまわり大きくして」
と伝えればよかった。

どちらにも改善すべき点がありました。

こうやって客観的に見てみたら分かりやすいけど、実際の現場では、期待や願望も入り混じってつい言葉少ないやり取りをしてしまうものかもしれません。


また逆に、こんな考え方もあります。

・見やすくするために色をつける
・グラフを大きくすることを”見やすくする”と表現する

ここだけを切り取ると、どちらも正しい行動です。

◆コミュニケーションは、お互い様

人と人の関係では、どちらの立場でも気づいたら一歩踏み出すことができます。相手のせいにして無駄な争いをするより、ずっと建設的です。
お互い様の気持ちが両方を助けてくれます。

最近は、ワークライフバランスや仕事の効率化が重要視されていて、研修の要望も高まっています。
実は、これらの分野でも、コミュニケーションが大きく関わってきます。

ミスコミュニケーションによるロスも見えないロス。
仕事のやり直しによって生まれる時間の無駄だけでなく、心が余計に疲れたり、組織内の信頼関係が崩れてしまいかねません。
今後の仕事にも影響が出てしまうのです。

受け取り方の違いがあることを頭において、お互いにひとこと確認する。

その一歩があるだけで、スムーズに進むことがたくさんあるはずです。

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