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愛は、条件ではなく人が育てるようだ【地元愛】

『書くンジャーズ』、土曜日担当の吉村伊織(よしむらいおり)です。
今週のテーマは、【 地元愛 】

【地元愛】ということで、「愛を語らなきゃ」と思ったところ、・・・ちょっと困ってしまいました。
頭をよぎったのは、「地元って、どこのことを言えばいいんだろう?」という疑問。

僕は、熊本に生まれ育ち、社会人になってからは福岡に住んでいます。

『地元の友達』と言われたら、小学校から中学・高校時代くらいまでの同級生の顔が浮かびます。大学で知り合った人たちは、『地元の友達』というよりも『大学の友達』と表現したくなります。

じゃあ、「地元は熊本か?」と問われると、正解ではあるけど、どこか物足りない感じ。今住んでいる福岡はどうなるんだろう、と思ってしまいます。
福岡が地元ではないと言ってしまったら、お世話になっている地域の方々に失礼で、自分の子どもたちにも申し訳ないように感じるのです。

熊本のことも、さらに突っ込んで考えてみます。
僕が暮らしたことがあるのは、矢部町(現:山都町)と御船町。どちらにも愛着はありますが、通っていた大学がある熊本市内を地元だと語ることはなさそうです。
いや、熊本市内でも、大学周辺のエリアには地元感を感じますね。

どうやら地元だと感じるには、そこで生活していたかどうかが関係しそうな気がしてきました。

ただ、福岡で考えると、また別のことが浮かびます。
大学卒業後に福岡で暮らすようになってから、独り暮らし、二人暮らし、結婚後の家族暮らしの経験があり、それぞれで引っ越しをして福岡市内では合計4カ所で生活しています。

地元感が生活と関係するのであれば、この4カ所すべてに地元感を感じるのか?

残念ながら、違いました。
福岡で地元と言えそうなのは、今生活しているところのみ。二人で同棲していた場所も、子どもが産まれてすぐに生活していた場所も、地元だとは語れそうにありません。

あ、誤解はないと思いますが、その場所が良い・悪いという感覚ではないですよ。
今に至るまでに生活していた3カ所とも、バスも地下鉄も使いやすくて天神や博多にはすぐ行けるし、ちょっとあるけばスーパーもあるので買い物に困ったことはありません。生活条件はバッチリです。

うーん、まずいですね。
ここに来て、生活と地元感が必ずしも結びつかないのであれば、地元って何なのでしょうか。
思考が迷宮入りしそうです。。。


困った時は、言葉の意味を調べるのが一番!

ということで、『地元』を調べてみると、似た雰囲気の言葉を交えたこんな解説を見つけました。

地元:生まれ育った場所や愛着のある場所
故郷:生まれ育ち、愛着のある場所
出身地:生まれ育った場所(特に最も長く過ごした場所)

なるほど!

生活したかどうかだけではなく、愛着という感覚が鍵を握る。

これでしっくり来ました!!

僕にとっての熊本と福岡、さらに細かいエリアに、地元感という不思議な雲が晴れてあたたかい光が射し込んだ気がします。

生まれてから中学一年まで過ごした矢部町は、生まれ育った出身地であり、故郷であり、地元。

中学時代から大学卒業まで過ごした御船町は、出身地でないけど、故郷であり地元。

福岡では、今住んでいる地域は愛着があるので地元。でも、他の3ヶ所は僕の愛着が薄いので地元ではない。

こんな分類ですね。

納得できたことを、地域の方々も笑顔で喜んでくれているような気がします。


あっ!
ここでまた気づきました!

愛着を感じるには、その場所で、そこで暮らす人との関わりが影響しているようです。

福岡で過去に暮らしていた3ヶ所には、そこの人の顔が浮かばないのです。

数年間の生活中に、家と会社の間を何百回も行き来したのに。

そう考えると、今住んでいる地域でも、保育園と小学校の人だけしか接点がなかった頃は、『静かで生活しやすいところ』とは思っていても、地元とは言えなかった気がします。

PTAを通じて地域との関わりが始まり、だんだんと顔見知りが増え、挨拶を交わすだけでなく嬉しいことも困ったことも話せるようになった。
そんな過程が、人との関わりが、愛着を育ててくれました。

そのおかげで、福岡も地元だと感じられるようになったわけです。

地元と認識するため、その地域に愛着を感じるためには、生活の条件がいい場所で暮らすだけでは足りなくて、人との関わりが必要だったんですね。


『愛は、条件ではなく人が育てるようだ』

地元愛を語ろうと思っていたのに、こんなところに行き着きました。

地元だと呼べる場所があるということは、そこには関わってくれた人が存在するという証拠だとも言えそうです。

ありがたいことですね。

愛すべき地元自慢を語る以上に、そんな人たちがいることが自慢です。


地元愛を感じさせてくれた人たちへの感謝と恩返しのためにも、地域との関わりをこれからも大切にしていかなければと思います。

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