入院中の会話

私は入院している。
毎日、部屋を掃除してくれる女性がいる。
ワンフロアーに42床あるという。それを一人でクリーニングされている。シャワールームが並んでいる区画もあるし、テレビが置いてある広いデイルームもある。大変なお仕事だ。毎回お礼を言い、労をねぎらう言葉をかけている。
 新型コロナのクラスターは夜の街と病院で発生するというイメージがある。だからご家族は病院にいくあなたを心配していませんか?と聞いてみた。
 もうそろそろ辞めたら?とよく言われます、と。でも動ける内は働きたいし、と。私は感動し、社会に貢献していますね、と言ったら驚いた顔を私に向けた。
「え?だってそうでしょう、貢献しているじゃないですか。おかげさまで私もここで医療を受けられるわけで」
そんなことを言われたことがないのかもしれない。
 仕事があれば社会との接点はある。その結果、私とこうして話もできますもんね、と言ったら顔がぱっと明るくなった。
今日もその女性が掃除に来られるはずだ。昨日テレコンした内容か、退院したら食べたいものとか、どんな話題にしようかな、楽しみだ。

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