勉強を楽しくする方法72〜ローカリズム〜

グローバリズムからローカリズムの時代へ。
人・モノ・カネが世界中を移動するグローバリズムの中で、世界中の都市が似たような景観を生み出し、平準化しているような感じがある。

その中で地域の産業や特産物、観光資源や自然を生かして地域の独自性をアピールできないだろうか。

ローカルの魅力を発掘するにはどうすればいいのだろうか。

それには、フィールドワークがうってつけだ。

ただ、なかなかそんな暇を設けることができないのが現代人である。

ここでネックになるのが自由時間と優先度だと思う。

毎日働いていると、自由に使える時間が限られている。
土日も仕事があったりする時代である。
私はここをもっと見直してワークライフバランスを取り入れるべきだと考えている。
それは永続的にでなく、一定期間でも構わない。
それで十分、効果を発揮する。

誰もが自分の住んでいる地域に興味があると思う。
自分が毎日歩いているあの建物はなんだろう?
あの工場は何を作っているのだろう?
あの神社はどの神様を祀っているのだろう?

通勤や散歩などでも感じることは山ほどあるはずだ。

物事には由緒というものがあり、それを知っているかどうかで、ものの見方は丸っきり変わる。
それはちょっとgoogle mapを開き、インターネットで情報を集めればできることなのだ。

それで、地元の掘り出し物に出会える可能性が十分ある。
そして、地元がとても好きになって、それを日本や世界に発信発信したいと思うこともある。

自分だけの穴場を発見できることもあるかもしれない。

皆さんも、観光名所の穴場のお店を調べて、その店の絶品クレープを食べるというような経験をしたことはあるはずだ。

それは、観光名所でなくても地元で実はできることであったりする。

今の時代は本当に便利で、地元の地図で道のつながりを確認したり、喫茶店を発見し、そこから口コミで肌感覚の情報を集めることもできる時代だ。

それをやれば、地元の近場にあるのだからすぐに行ってみたくなるはずなのだ。

ところが、私たちは地元を調べたり、現地を訪れたりすることになぜだか、あまりワクワクしない。

それはなぜか。

自由に使える時間が少ないからだということに、私は気が付いた。
偶然、バリバリ仕事人間だった自分が、ある時一定期間自由な時間を与えられた。

それは結構な期間(ヨーロッパのバカンスくらい)で、その間何をしようかと、逆に時間を持て余すくらいの時間が与えられた。

そして、とりあえず息子と2時間程度近場を散歩することにした。

今までにないことである。

それを1週間も続けてみると、変わりばえしない散歩のコースに飽きてきた。
そこで、今まで行ったことがない地元の場所をインターネットで探し、そこに行くことにした。

2時間あれば、結構その場所を細かい部分まで見たり、堪能できるのだ。

ここで逆のことを考えてみよう。

毎日忙しく、息子と2時間も散歩する余裕がない。
そういう状況ならば、仮に休日があったとしてもわざわざ地元の情報を集めて、そこに行くだろうか、と。

せっかく限られた時間があるならば、その時間で生み出せる最大限の驚きあり、感動ありの充実の、滅多に行けない観光名所の情報を集め、そこに行きたいと思うのが、人情である。

その場所とは、地元ではなく、どうせなら普段なかなかいくことのできない、地元から遠く離れた観光名所を選択選択することになるのだ。

その結果、どうなるのか。

地元に由緒ある名湯があり、そこが全国津々浦々から観光客が訪れる場所であったとしても・・・

地元に住んでいる人々が、全く行かないという現象が起こることになる。
これは必然のようで不思議。
不思議なようで必然なことだろう。

ちょっと地元に目線を動かすだけのことなのに・・・
ちょっと調べて、足を運ぶだけのことなのに・・・

しかし、「せっかくの休みをそんなことに使うなんて、もったいない!」と思ってしまうのだ。

「もっと滅多に行かない、価値の高い場所に時間を投入したい」となるのである。

近くていつでもいけそうな感じがするだけに、自由時間の少なさが地元の価値を抑えてしまうのだ。

そして、私は地元をもっと堪能するための根本問題が時間にゆとりのない現代社会だということを、自分の体験から実感するに至ったのだ。

もし、時間を十分に与えられて地元を散策し、掘り出し物に1回でも出会ったならば、地元への見る目が変わるだろう。

地元を知ることの楽しさはもうその人を離すことはないはずだ。

だから、フィールドワークは一定期間でも構わない。

何なら前日の就寝前30分を確保し、そこで1箇所だけ気になる場所を調べあげ、翌朝に車でサッと行ってみるだけでもいい。

こんなありきたりな日常の中で、こんな身近に、こんなにも新鮮な発見をさせてくるものがあったということに気づくだろう。

誰より、自分自身が地元の魅力を知っていなければ、人に伝える熱は生まれない。

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