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131 負荷の質

ある程度のところまでは上達するのだけれど、一定のレベルを境に進歩が少なくなるという領域がある。
80点までは点数が伸びていくのだけれど、90点代にはなかなかのらないという感じだ。
何事も突き詰めるほど、難しくなっていくということなのかもしれない。
そして、80点そこそこまでできれば、それでいいという考え方も一つではある。
80点代のものを複数持っていて、それを組み合わせて仕事ができれば、立派な生産ができるだろう。


そして、一定のルーティンを形成できれば、少なくとも80点代のレベルを持続することはできるはずだ。
現状維持という考え方も必要な段階があるだろう。


一方で、そこから次の段階へ飛び込むチャレンジが人生を変える可能性もある。
ルーティンに慣れて、現状に飽きてきた頃、「このままでいいのだろうか?」という自問自答が始まる。
何か新しいことに挑戦し、もっと極めることができないだろうかと冒険したくなってくるのである。


80点取れるレベルであれば、さらに質の高い負荷への耐性はできているフェーズにあると言えるだろう。
そして、一歩踏み出さない理由はいくらでも作ることができる。
それは裏を返せば、本気でやろうと思えばできる状態だとも言えるのだ。


たとえば、さらに高みを目指す研究会に参加したり、実際に自分が全力で体当たりしないと解決不可能なプロジェクトにチャレンジしてみるといい。
そうすると、これまで10年間取り組んできても全く気付かなかったことを認識されたりすることがきっとある。
この10年間でそこそこにはなったと、ふんぞり返っていた自分が急転直下、初心にかえって謙虚に学ぶことを強いられる。
そして、課題に取り組む日々の中で様々な引き出しを手に入れることができるだろう。
縦に進むために、横に広げるアプローチを知ることになる。
様々な状況に合わせて活用することで、自分のスキルが多方面に貢献できる特性を持っていることを知る。
この時はこう使えばよくて、違うこの状況の時には使えないという線引きができる。
自分の判断を下せるようになってくると、単なる勉強の奴隷ではなくなる。
自分を本当に信頼することができるだろう。


階段を上る時は覚悟がいる。
えいやこらっという感じで腹を括って挑む気持ちが必要だ。
一旦上がっしまえば、それまでの領域に戻ってくることは、もはやない。

それにはほんのちょっと背伸びする気持ちがあればいい。
そこそこの力を毎日コンスタントに出し続けるのもいいが、そこでなし得た技術を総動員して挑んでも立ちはだかる壁にこそ、可能性が眠っているのだ。


自分の感性と才能が本当に発揮されるのは90点代に入ってからなのかもしれない。

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