勉強を楽しくする方法65〜インプット0の環境〜

前田裕二さんの『メモの魔力』という本には示唆に富む主張が溢れている。

紙に自分の手で書くことの有効性は多くの本で指摘されている。

私自身、本当に必要な事項は紙に書くことで、頭に刻みつけた。
紙に書くという作業は、正確に記憶する際に私にとって最強の方法だと感じてきた。

それは、手を使って紙に書くという作業が神経も、体力も視力も使って、脳全体が集中している状態だと実感しているからた。

私自身、参考書や問題集の解説など、本当に頭に入れたい知識が網羅されている文章は手を使いながら読み進める。

そのため、読後は本文全体に線が引っ張ってあるという風変わりなページに変わっていく。

さて、前田さんの指摘していることとして、書くことで情報をスルーせずに深掘りできるという主張があった。

私は、このことを教えていただいて本当に感謝している。

私は、たくさんの資格試験を受け、とにかく知識を大量に獲得することに努めてきた。

一方で、解明されている答えを自分の頭で考えるなど、時間の無駄だと思っていた。

そんな時間があったら、さらに多くの知識を学んだほうがいいと考えていた。

しかし、私がこう考えるのは観察して疑問を出すという行為に価値を感じていなかったのと、自分が不得手としていたということもあるだろう。

こういう人は決して少なくないのではないだろうか。

たとえば、「空は青いが、夕焼けの時はなぜ赤いのだろう?」
とわざわざ考えて、追求する人はどれくらいいるだろう。

それはそういうものだからいいではないか。
それはすでに答えが出ている。
調べればわかることなのだ。

そう考えて、多くの人がその疑問を放置してしまう。

これをしつこく追求する人は、きっと科学リテラシーがある人だろう。

私が感動したのは、次の3点だ。
まず、どんな人でも疑問は抱くことができるという点。

勝手に疑問を抱く力が低いと自分で思っていたとしても、何かしらの原因を求める力はある。

情報に接すれば、「これはなぜ?」「どういうことだろう?」と思うことはできる。

そこから調べるかどうかはさておき、である。

さらに、2点目がその思いを紙に書くことでそこから一歩深掘りすることができるという点だ。

深掘りするとなると、新しい発見が待っている。
すでに、誰かが解明しており、インターネットで検索すれば仕組みや解説が登場してくる。

その情報は昨日もあっただろうし、1年前もあったかもしれない。
しかし、出会ったのは今日が初めてである。

疑問に思う力があれば、自分が知らない知識と出会えるのだ。
資格の勉強でも、自分が知らない知識と出会えるが、疑問に思うことができれば、自分の発想でこの世界を明らかにしていくことができるのである。

そして3点目だが、この世界は実はわかっていないコトの方が多いということである。

自分が疑問に思う能力を重視し、それを深掘りするスキルを持っていたならば、まだ未解明な部分にスポットを当てていくことができるだろう。

それを解明できるかは、リサーチを重ね、情報を収集し、自分で考えていく作業が必要になる。

しかし、私たちが勉強で獲得している知識は、本来はこういう道筋の過程で総動員されるべきものなのかもしれない

知識や概念があって、一歩でも思考を前に進めていくことができるからだ。

そう考えた時に、「何でだろう?」と思うことをやめなず、そうせざるを得ない環境に自分を追い込むことは意味があるのではないか。

あえて、不便な制約をつけて考えてみる。

そうすることで、自分の疑問が研ぎ澄まされていくことだろう。
インプットが好きな人ほどインプットを一回停止してみること。

これが、インプットしてきた分野以外の世界を切り開くコツかもしれない。

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