バイデン撤退・ハリス擁立論の背景

バイデンvsトランプ討論会の後、バイデン撤退論が日増しに高まっています。「もしトラ」から「ほぼトラ」になりつつある中で、アメリカ民主党の人たちが真剣に恐れ始めたのがトリプルレッド。つまり、今年11月大統領・上下両院の3つ全てを共和党に過半数取られて抑えてられてしまうのではないか、という恐怖心が出てきてる。民主党内は急速にCHANGE論に傾きつつあるようですね。

直接のきっかけはCNN討論会での大コケで、バイデン氏にはお任せできないと感じた人たちの離反です。その背景には「バイデンフレーション」と言われる高圧経済の結果のインフレがあります。FRBの利上げにより物価指数は随分と低下していますが、政策金利は高止まったまま。借金して消費するのは当たり前のアメリカではキツいでしょうね。

インフレ率と失業率を足し合わせた数字を悲惨指数(Misery index)と言い、二桁になった時の大統領は失脚や落選の憂き目にあいます(Nixon、Ford、Carter、パパBush各氏)。 バイデン大統領になって一時10を超えたのですが、今は6.79。これなら普通は大丈夫なのですが・・・

ポール・クルーグマン教授は「心理不況」と解説します。雰囲気(vibe)と景気後退(recession)をくっ付けてvibecession。実体経済は悪くなくとも40年振りの深刻なインフレの後遺症が心理的に残って景況感が悪くなっているというのです。

経済指標と憂鬱な消費者心理のギャップがあるにも関わらず、バイデン氏は堅調な雇用統計を自慢げに取り上げる。これでは候補者がハリス副大統領に代わっても、「ほぼトラ」は変わらないのではないでしょうか。

翻って、我が国はどうか? 株価は史上最高値を更新中で爆上げ状態。岸田総理の強気の背景にはなっても、実質賃金がプラスにならない国民との認識ギャップは埋まってないように見えます。

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