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④レーティングの良し悪しは業績欄の”経常利益”で決まる!

アナリストレポートの業績欄には、過去2期分の実績だけでなく、今期を含め2~3期程度の予想が時系列に記載されています。
これまでの実績の推移とこれからどの程度成長していくかが俯瞰的に把握することができます。

証券会社にもよりますが、今期の業績予想には、会社が決算発表等で計画した数値とアナリストが独自に予想した数値があります。
私は、会社計画とアナリスト予想を比較し、さらに会社四季報とも比べるようにしています。
もしアナリスト予想が会社計画、会社四季報の予想のいずれよりも大きい場合、株価には業績期待が十分に織り込まれていないと考えることができます。
つまり、市場の期待を上回る業績を達成する可能性が高く、株価上昇が期待できるというわけです。

来期以降の業績予想では、利益の数字自体ではなく、前年比でどれだけ伸びるかが重要になります。
特にグロース株では2ケタ成長がいつまで続くかが焦点となります。
今期の業績は良くても、来期以降、頭打ちになったり、マイナス成長してしまうものには注意が必要です。

業績を見ていく際に、最も重要な利益は「経常利益」です。企業が恒常的に得られる利益だからです。一般的に「けいつね」と呼ばれています。

最終的な利益である「当期純利益」はPER(株価収益率)を算出するためのEPS(1株当たり利益)や、先に説明したROEを計算するのに必要であり、非常に重要な利益ではあります。

しかし、ここでは、時系列での業績推移やアナリスト予想と会社計画との乖離などを見ていくことが目的になります。
過去の実績の推移を見ていく際に、一時的な利益や損失が含まれているため、その年度によって上下に大きくバラつきがでてしまう「当期純利益」は本当の成長性が分からなくなってしまいます。

また、今後の業績予想も、アナリストにとって、一時的な利益や損失というのは非常に予測しにくいのです。例えば、火災などの不慮の事故などは誰にも予想できませんよね。

そのため、企業の経営状態を最もよく示す「経常利益」が重要視されるのです。

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