僕はスピーチができない
社会進出大学を卒業してから2年の時を経て,私はついに社会進出を果たした。
とにかくセイシャインになれればなんでも良かったのでほとんど何も考えずにオフィス家具の営業になった。社員が7人くらいしかいない小さい会社だったから,寅さんのイメージで楽に生きていけるものと信じて疑わなかった。初出勤の日,期待と不安が混ぜこぜの胸を抱え,電車に乗った。早朝の満員電車。それまでは全員敵に見えていたスーツの塊たち。同志よ。これからは仲良くしよう。などと訳のわからない雑感を抱き足軽の如く会社に赴