前川のニュースレター 8月21日

目次

【株式市場の動き】
【不動産・住宅ローン金利】
【経済の動き】
【今週の???なニュース】
【豆知識】

いつも私のニュースレターを読んで頂き有難うございます。
週末にカリフォルニアでは珍しくハリケーンがきて大荒れの日曜日でしたが、今はカリフォルニア晴れで日本の方には申し訳ないようなさわやかな天気です。気温も25度ぐらいで、庭にはハイビスカスが年中咲いています。
今朝はハリケーンの影響で花が散ってしまいました。 

 

 
【株式市場の動き】
今日も株価は一進一退の値動きです。やはり、FRB(米連邦準備制度理事会)が金融引き締めを長期化させるとの観測が市場を不安定にさせている様です。米国10年国債の利回りが4.3%を超えてきているのは、金融引き締め長期化予想からで、金利が上がると企業の収益が下がると予想されるため、株が不安定な動きをします。特にナスダックがこの金利の上昇に影響を受けます。 今週25日、パウエル議長のジャクソンホールでの講演内容を見極めるための様子見状態でそれまでは大きな動きはなさそうです。Dowは$36.97安の$34,463.69, S&P500は$30.06高の$4,399.77,ナスダックは$206.81高で$13,497.59で引けました。
 
【不動産・住宅ローン金利動向】
経済の動きでも言いました様に、米国債の利回りが上昇、長期金利の指標である10年国債の利回りが4.342%と上がり続けています。その上昇に伴い住宅ローン金利も上がり続けており、一般の30年固定ローンの金利は7%を超えて上昇中です。金利高にも拘わらず、市場に出回っている住居用物件不足によって不動産価格は上昇をしていましたが、さすがに7月、8月になって、不動産購入シーズンの終わりと相俟って、物件価格が少しずつ下がっている様です。ローン金利の上昇は不動産担保証券の利回りと米国10年国債の利回りに影響されて日々変動しています。しかし、利回りの変動はあくまで、将来の予想に基づき、或いは将来予測をするエコノミスト、FRBの理事、連銀総裁などのコメントによっても大きく変動します。インフレ率への影響が大きい家賃とローン支払額などの指数が新築物件の供給数の増加、アパートの供給の増加、中古物件の住宅価格の下落、家賃の下落などにより、今後は下がってくる傾向が見えてきましたので、FRBの心配するインフレ率の再上昇は原油価格の上昇などで、一時的に起こる可能性はあるものの、引き続き下がって行くと予想するのが妥当だと思います。 FRBの慎重な態度(2022年の失敗に懲りて)が金利を高止まりさせている面もあるでしょう。以前も言いました様に金利の下落は思ってより遅くなっていますが、中国や世界の景気後退、その次は米国の景気後退と繋がり、下がってくるのは間違いないでしょう。 
短期的には、明日から始まるBRICSの総会、ジャクソンホールでのパウエルFRB議長の講演内容によっても金利の変動があると思われます。
 
 
【経済の動き】
先週16日のFOMC(公開市場委員会)議事録が発表されてから国債の利回りが上昇し続けています。その内容が今後一層の利上げも検討、今まで順調に下がって来たインフレがいて上昇する可能性もありと、来年早々の利下げを否定するような内容だったためです。 しかし、インフレは落ち着いてきており、米国ではサービス産業は好調に推移していますが、製造業は米国も含めて、世界的に不況に入ってきています。ニューヨーク連銀のGSCPI(Global Supply Chain Pressure Index)によると、2020年のコロナが始まってから2023年1月までは供給不足だったが、以後は需要不足に入ってきているとのことです。今年に入ってからインフレは徐々に下がってきていますが、GSCPIも下がってきています。6カ月連続でマイナスに入っています。7月の米製造業景況感指数(PMI)は46.4となって11カ月連続で50を下回っています。(50が中立ポイント)世界でも主要29か国、地域の内、50を下回ったのは7割となっており、ドイツは38.8と先進国中最低の非常に低い指数が出ています。景況感が50を上回っているのはインドとメキシコだけとなっています。サプライチェーンが回復して後、需要が低迷しています。これは船会社、トラック会社などの業績不振にも如実に表れています。また、世界の工場だった中国の需要不足が著しく、世界的には決して景気先行きが明るいとは言えない状況です。米国株は高値で取引されていますが、何時一転株価暴落の危機を含んでいる状況だと言えます。投資家や安全資産を求めている資産家は今リスク回避の為に資金をMMF(Money Market)に移しています。 Money Marketとは預金期間が決まっておらず、いつでも追加入金、引き出しができ、利子が相場に従って変動する金融商品です。 似た商品でCD(Certified Deposit)がありますが、これは日本の定期予期の様なもので一定期間出し入れ出来ず、預金額を変えることが出来ません。どちらも現在年利5%ぐらいで動いています。銀行預金の一種ですので、元本保証ですから、安全資産として人気があり、株や国債から資金がこの金融商品に流れています。同じ元本保証の国債のよりも手軽で人気が高い為、国債の売れ行きが悪く国債の金利上昇の圧力になっている様です。現在米国の政府債務は第2次世界大戦と同じレベルまで膨れ上がっています。対GDPの債務が80%を超えると黄色信号。100%を超えると赤信号となります。景気後退で財政支出が増える状況で過去2回の対戦が起こりました。戦後の復興期で景気が持ち直し、財政赤字を解消することを繰り返しています。バイデン政権になってから、コロナ対策、グリーンニューディールなどで財政支出が急速に増えています。政府の借金が増えているわけです。発行した国債の金利が上がるにしたがって、その利払いがどんどん増えるわけです。景気が良くて、税収が増えていればいいのですが、財政出動が借金のお陰で制限されますので、景気が悪くなっても財政出動が出来ません。そうなると景気刺激策を取れないので、景気は低迷、税収も増えずの状態になります。金利支払を減らすためにも、景気を浮揚させるためにも、国は金利を下げなければならなくなります。そうなると、ドル安方向に動いてゆきます。また、BRICSや産油国が脱ドルを進めているので、さらにドル安方向に進んでくると思います。ただし、今直ぐではなく、来年以降でしょう。日本を見てみると対GDP比の借金は200%になっており、金利を上げると利払いが大変なので、これ以上政策金利を上げてゆくことは考えられないので、財政出動をせず、増税をする方向に政府は動いています。 それでは景気は上昇せず、税収も増えませんから、日本の景気はインフレどころではなくこのままでは、またデフレ経済への道を進み始めます。

【今週の???なニュース】
米国は第2次大戦後、ブレトンウッズ体制の元金本位制で世界の金融をリードしてきましたが、ベトナム戦争などの財政支出の増加によって、金本位制が維持できなくなり、ニクソン大統領は金本位制を中止して、石油とガス決済を米ドルで行うペトロダラー体制を敷きました。1974年のことです。サウジの安全を米国が保証し、必要の武器供与を約束する。その代わりに石油代金決済は米ドルにする。サウジの黒字が出た分で米国債を購入してもらうと言うシステムが出来上がり、その後世界のペトロダラーシステムがづついてきたわけです。しかし、そのシステムから自由になろうとしたリビア、イラクは米国に潰されました。ドル基軸通貨に挑戦すると国が潰されたのです。しかし、ロシア、中国などがドル以外で石油決済をあっさりと始めてしまいました。米国は何もできません。これだけでも米国の世界支配が崩れた証拠となります。そこに来て8月からインドとUAEは現地通貨決済に基づいてインド・ルピーとディルハムでの決済を開始しました。インド石油公社はUAEから100万バレルの原油を購入するために、アブダビ国営石油会社にルピーで支払いを行いました。これでさらにペトロダラー体制が大きく崩れて来そうです。両国の通貨相場の調整剤として金(GOLD)が用いられたようです。ドルを介さないで自国通貨で取引をすることでコストを削減することが出来ます。BRICS通貨の導入は現実的ではないでしょうが、ドル以外の自国通貨での石油決済が進むと、米国金融による世界支配が出来なくなることを意味します。米国の支配力が弱くなり、その他の国が相対的に強くなってゆく方向に動いています。 ドルに対して自国通貨が弱い国は、ドル調達にコストがかかり、今の様にドルが高くなると石油、食料、などなど輸入するためのコストが上昇します。ドル調達にも苦心します。しかし、自国通貨で決済ができればドル支配から逃れられるので、BRICS側に付きたいと現在新たに23か国が加盟申請しています。日本も石油を円で調達したら、ガソリン価格や食料価格が大きく下がり、インフレはあっという間に解消できるかもしれませんね。
 
【豆知識】 
先週*Square Feetに0.093を掛ければ坪数が出ます。と言いましたが、平米数の間違いでした。申し訳ありませんでした。 
さて、今週はMidwestのどの都市がレントの需要が強いかのランキングです。
Midwest                                                 
1. Kansas City, MO                                  
2.Minneapolis, MN
3.Cincinnati, OH
4.Overland Pak, KS
5.Cleaveland, OH
6.Madison, WI
7.Detroit, MI
8.Columbus, OH
9.Indianapolis, IN
10.Chicago, IL
 
全米ランキングは以下になります。
1.Arlington, VA
2.Kansas City, MO
3.Minneapolis, MN
4.Cincinnati, OH
5.Denver, CO
6.Bronx, NY
7.Atlanta, GA
8.Albuquerque, NM
9.Orlando, FL
10.Durham, NC

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