K.Yoshimura

25歳。大学で哲学学ぶような人。映画作ったりする人。背がデカい人。あごが長い人。変な人。

K.Yoshimura

25歳。大学で哲学学ぶような人。映画作ったりする人。背がデカい人。あごが長い人。変な人。

最近の記事

不細工の僻み

 「君と一緒にいると楽しいけど、ずっと一緒にいたいとは思わないよね。」これは、私が中学二年だか三年だかのときに、同級生の女の子に言われた台詞である。その子がどんな子で、どういう状況で、何をきっかけにして言われたものなのかは、どういうわけかさっぱり覚えていない。ただ、この言葉だけが私に残り、今も尚、心に突き刺さっている。だが、この言葉ほど、私の人間性を的確に表現しているものはないと思っている。  私は、色恋沙汰などというものに、無縁の学生生活を送ってきた。私は、小学校を卒業する

    • 後悔

      たつた一度の失言も 信頼を失ふには十分足る 人が消え 思ひ返したとき そこで初めてなんとなく理解す 時が経てば経つほどに 其れを思ひ返しては 悔ゆ   認めようぞ 譬ひ未熟であつたとしても 其れは紛ふことなき 我であつたと 後悔したとて 時既に遅しかな 我が一生に於ける 贖罪を背負う 手離したくとも 手離せぬ 嘗ての我を 存分に恨む 或芸人に 我が過去が重なり 古傷が痛む 今日も今日とて 夜風が生温い

      • ある日夢を失った少年。

         「あなたの将来の夢はなんですか?」この質問ほど、私を困らせた質問はなかった。私の記憶にある、最も古いそれは、幼稚園での出来事だった。私の通った幼稚園では、毎月、その誕生月のお友達をお祝いしましょうのような、まあどこにでもある、ありふれたイベントが行われていた。私が幾つのときかまでは覚えていないのだが、自分の誕生月の際に(とはいえ、私は八月生まれなので、翌月に持ち越されるわけだが)、女の先生にマイクを向けられ、大きくなったら何になりたいかの発表を強いられた。そのとき私は、たい

        • 僕が大人を嫌いになった日。

           私は、大人が嫌いな子供であった。なんとも、可愛げのない話ではあるが、そのきっかけは、自分の中では明確にあり、未だに忘れることはない。  時は遡ること、中学二年のことである。冬休みに入る前だか、明けた後だか、その辺りだったと記憶している。毎年この時期になると、次年度の生徒会役員が決められる、生徒会役員選挙が行われる。新三年生、すなわち今の二年生たちの中から候補を募り、同一役職に複数の立候補があれば、生徒たちによる選挙が行われるといった、どの学校にでもあるような、至って平凡な

        不細工の僻み