見出し画像

西九州新幹線で変わる西九州交通事情

西九州新幹線の開業で長崎・佐賀県の交通体系に変化があった。
先日取材したので感想を。
今回の新幹線はかもめの一部区間が新幹線になった、というシンプルなものではない。かもめは江北駅(旧肥前山口駅)からは南下して肥前鹿島駅を経由して長崎へと向かっていた。これに対して新幹線は江北駅から佐世保線で佐世保駅方面に向かった途中の武雄温泉駅からの路線となる。したがって在来線で連絡するリレーかもめ号も門司港・小倉・博多駅と武雄温泉駅を結ぶことになる。
このため武雄温泉駅の特急数は激増するいっぽうで肥前鹿島駅の特急数は激減する結果となった。
武雄温泉駅でのリレーかもめとかもめの乗り換えは同じホームで向かい合わせになっていてスムーズである。3分とやや乗り換え時間が短い気がしたがいちおう遅延時にはもう一方も遅らせる(あまり長いとまた違うようだが)対応を取るようなので安心ではある。
武雄温泉駅からのかもめは新幹線だけあって各駅に停まっても高速。30分で長崎に着いた。複線で行き違いしなくていい、路線が直線が多くカーブもゆるい、山中をショートカットするルートと好条件が揃っているからだろう。最速は23分とのことだが地盤が落ち着いたり運転ノウハウが貯まればさらに高速になると思われる(各種資料では20分とある)。
途中駅の利用状況だが新大村駅と諫早駅は結構下車客がいた。嬉野温泉駅はあまり客がいなかったが平日かつ温泉シーズン外の秋だとこんなところだろうか。
在来線の長崎本線の状況としては普通だけになったのと肥前鹿島駅の隣駅肥前浜駅から長崎駅までは電化をやめたことだがその分ハイブリッド電車の新車に切り替えたようである。
特急の通過待ちがない分待ち合わせが普通の行き違い程度になりスムーズになった。
長崎駅-諫早駅は新線(紛らわしいが在来線の新線)も旧線(在来線。こちらはずっと電化されていなかった)も客が多く、地域輸送を強化する勝ちはあると思われる。また大村線も長崎佐世保間の移動や長崎空港、ハウステンボスなど諸々利用者がいて新幹線との連携を強化すれば伸びる余地は大きいと思った。諫早駅も新大村駅も大村線と新幹線の乗換駅なので連携を強化する価値はあるだろう。
佐世保線の武雄温泉駅から佐世保駅までは従来とそれほど変わらないようだ。新幹線ブームのうちに鉄道利用を定着させておきたいだろう。
私鉄の島原鉄道や松浦鉄道も新幹線開業にうまく便乗してほしいところ。いずれも利用客は多い。とはいえ雲仙や平戸の観光はバス乗り換えしないと到達できないし、雲仙ロープウェイなどレンタカーかタクシーが必要な場所もあるのでバス路線も新設再編が必要に思えた。
島原鉄道というと最近は海に近い駅としてJR四国予讃線の下灘駅と並び人気の大三東駅で撮影する客が多かった。島原鉄道自身も積極的に売り込んでいるので成長させてほしい。
唐津まつりとバルーンフェスタ(会場は佐賀市)の開催と重なっていてこちらの利用者も多く、唐津線や筑肥線もかなり混んでいた。車両の増結や臨時バスの運転などもあって盛況で観光客が戻っていることを感じさせた。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?