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【詩】沈潜と浮遊

往来する
内と外とを
静けさと喧騒とを
観想と人々の営みとを
霊的幸福と物質的恍惚とを

言葉によって
いっさい表現することのできない
豊穣なる無から身を起こし
たくさんの言葉で埋め尽くされ
何かを指し示したいという
欲求で満ちた世界の方へと

ふと目にした文字列
潜っては浮上する人の群れ

「生存確認」のため
「低浮上中」

私の意識もまた
浮上しては沈む
群れの中のひとつ
沈み込んだ底の底で
浮遊している

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