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大学教育

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大学教育に関わるテーマについて考えたり、学んだことを書いた記事をまとめています。
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#学問への愛を語ろう

アクティブラーニングに関するメモ

「アクティブラーニング」は、大学の大衆化に伴って、高等教育において取り上げられ、初等・中等教育へも広がっている。今や、教育の現場にいれば、よく耳にする単語に一つになっている。 教育政策がどれほど教育現場へ影響を与えるのかを、アクティブラーニングを通して、強く感じる。 アクティブラーニングとは何か。ここでは二つの説明を取り上げよう。 教師が一方向的に何かを伝えるのではなく、学生が何か(書く・話す・発表する)をしながら、その講義で獲得すべき能力を醸成する営みがアクティブラー

物理学徒はどのような人材か ~参照基準を参考に~

大学の数は増え、大学生の数も増えている。それに伴い、「量」は増えたが「質」はどうなのか、という議論が続いてる。2008年に文部科学省中央教育審議会が出した答申「学士課程教育の構築に向けて」では、大学における教育内容や学修評価を通した「質」の管理が指摘された。そこでは例えば、授業時間外の学修を含めた単位制の徹底などが議論されている。 2010年には日本学術会議から「大学教育の分野別質保証の在り方について(←pdfファイル)」が発表され、各分野の「参照基準」が策定されることにな

言い伝えだった学習ピラミッド

学習指導要領や大学教育(特に初年次教育)において「アクティブラーニング」「能動的な学習」「主体的な学び」「深い学び」といった言葉が良く使われる。そして、それらと共に登場する図に「学習ピラミッド(Learning Pyramid)」がある。その図については以下の文献[1,2]が参考になる。 [1] 松下佳代「『主体的な学び』の原点 -学習論の視座から-」大学教育学会誌 31 (1) p14-p18 (2009) [2] 山本富美子「明快で論理的な談話に見られる具体化・抽象化