マガジンのカバー画像

大学教育

11
大学教育に関わるテーマについて考えたり、学んだことを書いた記事をまとめています。
運営しているクリエイター

#学習

大学における合理的配慮に関するメモ

九州大学に勤めていた頃、合理的配慮に関するセミナーを企画したり、関連セミナーに参加したりしていた。今回のnote記事はそれらで学んだことに関するメモだ。 合理的配慮(reasonable accommodation)の広がりは、2006年の「障害者権利条約」で取り上げられた「障害の社会モデル」に端を発する。これは障害の原因は、個人の機能障害や能力障害ではなく、「社会的障壁」の存在にあるという考え方である。 そして、社会的障壁を除去するための適当な変更や調整(=合理的配慮)

言い伝えだった学習ピラミッド

学習指導要領や大学教育(特に初年次教育)において「アクティブラーニング」「能動的な学習」「主体的な学び」「深い学び」といった言葉が良く使われる。そして、それらと共に登場する図に「学習ピラミッド(Learning Pyramid)」がある。その図については以下の文献[1,2]が参考になる。 [1] 松下佳代「『主体的な学び』の原点 -学習論の視座から-」大学教育学会誌 31 (1) p14-p18 (2009) [2] 山本富美子「明快で論理的な談話に見られる具体化・抽象化