QA業界への貢献と自己コモディティ化について
以前10Xさんのポッドキャストでブロッコリー氏と話した際にもこの内容を喋っていた気がしますが、文章にもしておこうかと思い立ちました。
なぜコミュニティ活動をしているのか
ふだんSNSでギャーギャー言うほかに、勉強会やイベントで登壇したり、Webメディアで連載したり、あとはコロナ等の前であればイベントを開催したり、TestingCommunityJPというSlackでのコミュニティを開いていたりと、いわゆる「エンジニアのコミュニティ活動」をわりと好きでやっています。
こういうことをやっていると、「QA業界に貢献しようとしてるんですよね!」と言って頂いたりすることもあります。恐縮です。
自分でもきっかけがよくわかっていないのですが・・・
学生だったころに当時まだアーリーアダプターが使っている位の段階だったTwitterを使っていた
当時のはてなブックマーク界隈はエンジニア層がけっこう多かった
ことなどから、今でいう「つよつよ」とか「キラキラ」したエンジニアをネット上で見る機会が多かったように思います。
地方で学生をやっていた身からすると、IT業界も、そもそも世間というものも全く知らなかったので、「エンジニアってみんなこう(=キラキラ)なんだ!」ってわりと本気で思ってたりしました。
ブログをやる
OSS活動をする
技術書を書く
登壇する
この4要素がエンジニアの必要条件で、みんなやって当たり前だと信じていたように記憶しています。
今でもそのころの刷り込みがあって、とりあえずこの4つはやらねば、と思っているのかもしれません。
実際、就職してみたら全然そんなことなく。最初こそショックをうけましたが、自分は4要素を引き続き個人目標にしてやっていて、それが結果的にコミュニティ活動になっている、のが今です。
QA業界への貢献について
業界に貢献しよう!という強いパッションは正直無く、どちらかというと後ろ向きな思いがあります。
というもの、私は基本的に自己肯定感が低く、すぐ「無力だ・・・」って思ってしまうタイプです。なので、なにかアウトプットをして、それをひとから「いいね」とか「参考になったよ」と言ってもらってやっと安心できるんですね。健全ではない自覚はありつつも、実際にそうなので仕方ありません。
なので、実は周りからみたときと自分の認知が違っている状態です。
自己肯定できないので他人からのフィードバックをもって肯定感を得ようとしている、という若干歪んだ形ですね。ただ、外からみるとコミュニティ活動をしていることで「貢献しようとしているのね」って思ってもらえる、のかもしれません。このへんはお得というか、ラッキーなことです。
コミュニティ活動における、自分としての基本思想
仕事もコミュニティ活動も両方ですが、「自己コモディティ化」を意識しています。
自己コモディティ化、は造語なのでぐぐってもたぶん出てこないのですが。
コモディティ化、というと、なにか他者と差別化できていたポイントに対して競合が現れたり汎化してしまって、差別化できなくなるという意味だと捉えています。マーケティングの世界ではネガティブなものとして扱われていますが、私は自分自身のコモディティ化を積極的にやっているつもりです。
たとえば、一昔まえだと「システムテストの自動化ができます」はテストエンジニアとしてはちょっとした差別化要因でした。
私もこの「自動化ができる」を強みとして活動していましたが、所属会社の中で「皆がテスト自動化できるようにしよう!」というミッションを掲げました。差別化、という点では周りは出来ないけど自分が出来るという状態をキープしたほうがメリットがあるのかもしれません。
しかし、個人的にも、あとはおそらくエンジニア界隈でも、この手のスキル抱え込み的差別化は好ましくないでしょう。どうせ囲ってもすぐ陳腐化しますし。
そのため、自分の場合は「自分の知識・経験・スキルはとにかくまわりの皆に伝えまくって、自分以外の誰もができるようにする」ことを良しとしていて、これを「自己コモディティ化」と表現しています。
マニュアル化や定型化で誰でもできます、ではなく、周りのスキルアップ(というと非常におこがましい感がありますが)によって皆が本当に「できる」ようになってもらうのが理想です。
いま行っているコミュニティ活動、文章を書いたり登壇したりといったことの根本にあるのが、この「自己コモディティ化」思想です。
自己コモディティ化した先に何が残るのでしょうか。
自分のスキル等を他人にシェアするスキル、が身につくはずです。これが私が一番ほしいものかもしれません。
まとめ
業界貢献!という高尚なものは掲げておらず、自己肯定感を得るために、完全に自分のためにやってます
コミュニティ活動をするうえで自己コモディティ化を大事にしています。抱え込まない、なるべくオープンに共有する。
ほぼ自分語りでしたが、皆さんがコミュニティ活動をする際のポリシーやモットー的なものもぜひ教えてください。
ありがとうございますありがとうございます