東大を出たけれど09「表層と本質」
最近よく来るセット客がいる。
もともと4卓しかない小さな店なので、固定のセットが居ついてくれればそれだけで雀荘らしい賑やかさを醸し出してくれる。
特筆すべきはそのレートで、1000点300円のウマが10000円‐20000円、前出し3000円と結構高い。大体10万から20万の金額が数回で動くのだが、いったいどんな素性の人々がこんな麻雀を毎日打っているのだろうか。
小耳に挟んだところでは、それぞれフィリピンクラブのオーナーやノミ屋の胴元らしいが、一人どう見ても筋者の風体がいて、両手の小指がなく、はだけたシャツから彫り物をちらつかせている。
まあフリーなら即刻お断りの強面客なのだが、他にセットなど滅多にいないので大目に見ている。
毎日場代を落としてくれる太いセットなので無下には出来ない、というのが弱小店の正直な理由だが。
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