Netflix版「新聞記者」の続き観る(2話)

1話の感想ははてなブログに書いたので、2話以降はこちらで続きの感想を軽めに書きなぐっていきます


・・・と思ってたら2話めでちょっと「きっつー★」ってなる描写があった

望月記者ageが「さすおに」みたいでちょっとギャグっぽくなってる

本作品は東京新聞の望月記者をモデルにした「東都新聞の松田」という女性記者を主人公にしているのですが

①赤川は本当は松田にリークしたがっていたということにする
②意識の高い学生に登場させて、松田側の意見を代弁させる
③この学生が望月記者がモデルの「松田」のことを「なんか格好いいよね」とフワッとほめる
④なんとなくフワッと政治に無関心な男性を、意識の高い学生が「それでいいの?」「あんたマジでいってるの」となじるような描写を見せる

などの露骨な描写が数多く入ってきてウエってなる。

などのシーンがあって、「魔法か高校の劣等生」の「さすおに」を見せられている気分になる。

もちろん②などは普通に「ビッグショート」などの映画でも用いられていた話であるし、「作者の都合の良い」ストーリーをなぞって主張も代弁してくれる登場人物を出すのは、「永遠のゼロ」などでも使われている。史実に基づいたフィクションではよくある手法ではある。

使いどころが正しいなら全く問題はない。

しかしビッグショートの著者はちゃんと登場人物に全員取材して許可を取った上で執筆しているのに対し、本作の望月記者および、この映画監督はそういう許可を取っていない。取っていないから「シンボリルドルフ」を「ションボリルドルフ」みたいな感じで全部名前を変えて、あくまでフィクションという態を取っている。

そういう前提で考えた時に、これだけ作者に都合の良い展開を見せられるとちょっとうーん、ってなる。


エキストラ的存在に説明セリフで持ち上げさせるんじゃなくて、作中で「松田が格好いいな」って思わせる描写を入れてほしかった

なぜこういうシーンが必要になっているかというと映像で見ている限りだとここまでの松田が全然格好よく見えないのだ。

このシーンが出てくるまでのマツダは、ひたすら記者会見で官房長官に食って掛かるシーンと、赤川さんをモデルにした「鈴木」をおいかけているだけで成果をつかんでいない。

そして、肝心のスクープは別の新聞社にすっぱ抜かれてしまっている。

何一つ「手柄」を立ててる描写が描けていない。有能というところを作中で見せられていない。だから仕方なく、大学生に松田さんは凄いんだよ!って「説明」させなくてはいけないという構成になっている。

これは、映像作品としてはかなりあかんやろって思う。

別に無理してここで持ち上げず、もうちょっとなにか戦ったり行動をしたあとに、後のシーンで「こいつ・・・やるやん」みたいにした方が絶対によかったと思う。
「ガッチャマンクラウズ」はそのあたり上手かった。この作品は今のところ「松田」の見せ方がサクラくさすぎてみててしんどい。



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それよりこちらの方が問題なのだが

内閣情報調査室の描写が完全にギャグっぽくなってる


内調と言えば私は「EVE burst error」の影響もあって非常に思い入れがあるのだが、この作品で描かれている内閣調査室は完全にポンコツのギャグ要員になっている

実際はこういう部署なのだが、

本作品では、「ネットサポーター」を使ってネットの言論を操ろうとする「ぼくの考えたさいじゃくのネトウヨ組織」みたいな感じになってる。これはちょっと本気でまじめにやってほしい。


ただ、音楽や演出、出演者の演技などは素人意見だけどかなり良いと思う


松田の描写や内閣調査室の描写はダメダメだと思うが一方で、赤川さん役の「鈴木」周辺の描写は鬼気迫っていて、すこしずつ追い詰められている描写が生々しく描かれていて見どころがある。

佐川局長役の「毛利」の証人喚問のシーンは非常に演技が素晴らしく、この人なりの信念を感じさせる描写になっていた。作品的には悪役的な位置づけだが、松田よりもよほど魅力的に見える。

松田や村上といった他のメンバーの描写ももうちょっとすれば追いついてくるかもしれないので期待したい。



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