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場所にとらわれない働き方1年やってみてわかった自分なりのポイント

オンラインをベースに自宅から全てのクライアント向けのトレーニング・コンサルティングサービスを提供させて頂いています。

これまでほぼ毎週数日は赴いていた都内へも、今日で丸1年間行っていません。

意図して、東京含め物理的な場所に依存せずに、自分のパフォーマンスを十分に発揮する、というチャレンジをしてきた1年間でした。


もちろんその間、色々な試行錯誤がありました。そして結果的にパフォーマンスやコンテンツの質が落ちたかと言われると、自分自身の感覚としてはNOという答えです。(客観的には、それによって例えば御依頼頂く仕事の量が減ったという事実は今のところありません)


よくオンラインへの移行というと、コンテンツのオンライン化や各種オンラインツールの操作法、活用法が挙がります。きれいな画像と音声のための設備もないよりあったほうが良いのかもしれません。もちろん方法論として最低限のオンラインにシフトするためのこれらの知識は必要だと思います。

でもその部分は初期に、そしてできるだけ短期間でマスターすることが全てのベースとなると考えます。


僕は、それ以上に大事なポイントとして、Digital Facilitation技術がオンライン活用の世界では必要なスキルだとずっと考えてきました。つまり、オンラインという環境の中で、

「参加者ができるだけオンラインという環境やその制約を意識せずに、対面で得られる以上のベネフィット・成果を享受できるような采配と場作りの技術」

とでも言えばよいでしょうか。いわゆる一般的なファシリテーションスキルとはかなり違うという認識を持っています。

僕自身は、自分がDigital Facilitation Masterになるために何が必要かを1年前からずっと手探りで考え続けてきました。

2020年の春に、強烈なロックダウンが始まったヨーロッパで、否応なくこの動き(=Digital Facilitation技術の研究とディスカッション)が始まっていました。それこそオンラインであれば場所に依存せずに、それらの動きというか波に乗るチャンスはたくさんありました。それらの活動の中で、色々な実践ケース(成功例も失敗例も)と研究や知識の共有が国を跨いでなされ、自分自身もそこからスポンジのようにとにかく吸収しまくる時期を過ごしました。これは、

何が参加者のEngagement(参加意識と成果)を高めるか

という問いかけを自分自身に植え付けてくれました。その後のDigital Facilitation Masterへのスタートジャンプとして、大きく得るものがありました。

そのころまだ日本国内では「Zoomにはブレイクアウトルームという機能があって、それはこのボタンを押すとできますよ」「休憩は小まめに入れましょう」という方法論の議論が大半であったのと対照的です。


後は、毎週のように行う大学の授業で学生相手に試行を重ねつつ、企業クライアントでは毎回勝負の場として最高のものを創り出して行きました。


2020年の夏~秋にかけては、なぜかインドでこのトピックがブレークし出し、手ごわいインドの方々と直接他流試合をする訓練の場がたくさん生まれました。ヨーロッパほどの時差の調整も不要であると同時に、あれだけ喋り捲るインドの参加者をまとめ上げ、質の高い成果を生み出す訓練の場としては他にない絶好の場でした。これもオンライン世界であればこそそこに壁なく参加できたわけで、2019年より前にはそんなことは思いもしなかったことです。


このような経験を積み上げて来てやっと、自分以外のメンバーは画面の向こう側の部屋に集合しつつ、自分がその場をファシリテーションして成果を出すといったケースから、相手がそれぞれバラバラな場所やバックグラウンドの集合体である中で、どのような内容をどのようなレベルで結果を出すようにリードするかといケースなど、様々なケースを扱えるようになりました。


その時々にはあまり強くは考えませんでしたが、敢えて1年間経って振り返ってみると、これらが成立したポイントは、

「(コンテンツのオンライン化やツールの習得といった基本に加え)オンラインならではの、画面の向こうにいる多数の人をまとめ上げて成果を出せるファシリテーション技術」

が大きな部分を占めるのではないか、ということです。


2020年年末には、そのようにして各地で出した成果を、全国的に纏めて発表会を行うことも実現できました。これこそ正にオンラインだからこそできた結果の一つです。


こういうコミュニティや勉強の場は、様々な場所で常に行われています(僕が知らないだけで日本国内でもそういう活動はあるかもしれません)。そこに参加してみることが腕を上げる第1歩になるでしょう。

ただ、残念ながら個々の活動で、Digital Facilitationに必要な内容を纏めて得られることは期待できないでしょう。それぞれフォーカスする話題や課題が断片的に語られているという印象です。

裏を返せば、それらを体系化することで極めて価値の高い内容となるはずです。それだけで十分1冊の本も書けるでしょう。残念ながら僕はまだそこまで言語化、可視化する域には達していません。もっと時間と場数が必要です。


ちなみに僕自身は決して「オンライン信奉者」ではありません(これは色々な場所で言っています)。自分の置かれた制約や環境の中で、最大限のパフォーマンスを出すためには、どこを目指して何をすべきかをずっと考えるようにはしています。

過去1年間に絞って言えば、その一つの形が上記のことでした。



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