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#被写体募集 を実のあるものに!

こんにちは、みなさん「作品撮り」していますか?
私は自分の写真を「作品」というのは少し抵抗があるのですが、「作品撮り」は共通認識として使いやすい言葉なので使っています。

おかげさまで、作品撮りに関して、雰囲気が合致する被写体が見つからないということはほぼなくなり、作品撮りで撮影した写真投稿を目にした方から撮影依頼を受けられるようになり、結果的に利益が出るような好循環に入った気がします。

私は、約3年ほど「作品撮り」に掛かる「 #被写体募集 」を継続的にしてきたのですが、幾度と失敗を経験して、傾向や対策、また効率が良い募集のコツが見えてきたのでシェアしたいと思います。ポートレートの作例を増やしたいと考えている方の指針になれば幸いです。

今回は、被写体の募集のコツと心得的なものをご紹介します。
※飽くまで主観なので、ご自身の作品撮りの目的や、作品のエッセンス、人柄なども考慮し、ブラッシュアップいただけましたら幸いです。


【募集のコツ】

SNSでの募集の際、インスタントに#被写体募集だけつけて投稿したり、フォロワーの拡散頼みで募集の投稿をすることが多いと思います。SNSに限らずだと思いますが、私が永らく被写体募集をしてきて感じた募集時に書いた方が良い事をまずはご紹介します。

1. 予算について

ミスマッチや残念な体験が起きる原因に、予算のすり合わせがあります。
よくある被写体募集の投稿に「被写体募集中」とだけ書いてあり、無償なのか有償なのかわからないものがあります。有名な写真家やフォトグラファーなら無償有償問わずにたくさんの連絡が入ると思いますが、そうでない限りはもう少し丁寧に記載する必要があります。これはどちらなのか書けという話ではないので最後まで読んで頂けると幸いです。

私の結論は、
「無償か有償かはこちらで決めずに、
 条件は応募いただく方に委ねるということを明記する」
です。

あれ、無償って書いた方が人集まるのでは?と考えると思うのですが、私の今までの経験上、無償と書くと、想定していない層のモデル?の方にまでリーチしてしまうことが多かったです。例えば、鍵付きアカウントで、こちらから応募者の方の情報が得られない方や、綺麗な写真をタダで撮ってもらえると考えている方などからの連絡が増えます。

そして、反対に有償限定にした場合も同じような状態になってしまいます。作品撮りとしてよりも、仕事として受けるべき件(嬉しいけど意図してない)や、歓楽街の方のプロフィール撮影など、自分が意図していない連絡が増える傾向にありました。お仕事の募集であれば少ないのですが自主制作の作品撮りやテストシュートの募集になると、想定していない方からの反応があり、ノイズになってしまう可能性が高いです。

そのため、仮に自分がお金を出す気でも、応募時点では無償か有償かを書かない方が吉という結論になりました。※作品撮りにおいては

書き方の例としては、
「無償、有償問わず、条件を明記の上ご連絡ください」などです。

作品撮りは制作に携わる人がお互いにメリットがあると思った時に成立するので、それぞれの予算感は擦り合わせする必要があります。応募時に掲示がされていないと応募者側も渋ってしまったり、探り探りの連絡から始まるのでコミュニケーションに時間がかかりお互いにストレスになってしまいます。そのため、予算の条件は応募者に委ねるということを募集時点で書くと予算と、先方の温度感がわかるので、スムーズにコミュニケーションが開始できます。

注意事項がいくつかあるので、最後に記載します。

2. 何のための撮影か

募集時点で書いておきたいことが、「何のための撮影か」です。
おそらくこのnoteを読んでいただいている方は、ジャンルの違いはあれど、「作品撮り」という言葉を見ただけで大体どういうものなのかイメージがつくと思います。私的用途やそれぞれがポートフォリオやSNSでpersonal workとして掲載するための撮影だという共通認識があると思います。人によっては若干認識に違いがあるので注意が必要です。私がありがちだと思っているのが、被写体の方が撮影の時に身につけていた服やアクセサリーを、商品の#PRとしてSNSに投稿する場合などです。他にも、雑誌やコンサートのビラなどで宣材写真として使われる場合など、写真やモデルを生業としている方としては商用利用なのに掲載料の支払いもなく無断で使われたと思われてしまう可能性があります。

双方が今回の写真をこういう事に使うかもしれないという擦り合わせの上で撮影に挑むのが良いかと思います。

※作品撮りとは双方にそういうリスクがあるものだと思っているのですが、SNSで発信などをするのが主流の今、どこにビジネスが介在しているかわからないので、認識が違うことがあれば、後からでもこういう使い方はしないでほしいというのは当事者間で話合った方が良いかなと思います。

3. 作例を添付する (もしくはコンテやレファレンス)

レファレンスとは参考資料のようなものです。これは、過去の自分の作例があれば一番わかりやすいと思いますが、なければこういう写真が撮りたいという目標とするビジュアルだけでも用意するのが良いと思います。事前にレファレンスを用意することで、衣装どうしますか?メイクどうしますか?どこで撮りますか?など円滑にコミュニケーションが進みます。また自身の作例などを載せることで自身を訴求できるので、相性の良い方から応募いただけることが圧倒的に多くなります。

4. 地域

大阪で撮りたいなら大阪、東京で撮りたいなら東京など、ざっくりで良いので撮影地域を書いておくと、想定していない地域の方から連絡が来ません。

5. 連絡手段

例えば、「DMでご連絡ください。」や、「いいねください。」などです。
私はDMかメールをおすすめします。
リプライやいいねだと、応募なのかどうかわからない連絡がきます。例えば、リプライで「気になります!」とだけ連絡が来たりします。募集に条件を明記の上、と前置きしていてもそういった連絡が来ることがあるので、応募方法を明記した方が、余計なコミュニケーションを省くことができます。

6. お願いしたい方にだけ返事をすることを明記する

もはや定型文になりつつありますが、、、
「イメージが合う方にのみご連絡させていただきます」などと書いておくことで、今回の撮影ではイメージしていなかった先方からの「お返事お待ちしております」などの催促のメッセージを受け取らずに済みます。もし丁寧に募集を行うのであれば、「条件が合う方にのみ、回答は〇〇日以内にご返信させていただきます。」などと記載すると双方ストレス無く済みます。

7. ハッシュタグを使う

多すぎても良くないと思うのですが、#被写体募集 などのハッシュタグはどこのSNSでも存在するので、このようなハッシュタグをつけて投稿すると多くの応募者を得ることができます。必ずつけた方が良いです。全然違います。ただし、自身がカメラマン側であることがわかるように投稿しないと、被写体を募集しているカメラマン側の方が見にきてしまったりすることがあります。例えば「#作品撮り」だと、投稿者がモデルなのかメイクなのかカメラマンなのか、募集対象はどの役割なのかが分かりません。
オススメのSNSは、今だとThreadsが活発なのでおすすめです。

【心得的なもの】

1. 撮影したい人へは自分から連絡する。

応募がなかったとしても自分が撮影したいと思う人がカメラマンを募集していたら、自分から連絡した方が良いと思います。最初のうちは募集しても連絡が来ないです。始めた頃はポートレートの作例が無く、自分が撮影するメリットを掲示できないため誘えないという、「都会に服を買いに行く服がない。」という状態になります。そのような状況の時は、有償の被写体の方にお願いして撮るか、撮影会と言われるものに行ってしまうのが良いのかなと思います。そこで作例を手に入れて、自分が本当に撮りたい作品撮りを行うのが良いと思います。最初は友人でも問題ないと思いますが、客観的に見たときに「友人を撮ってんな」ということが意外と分かるので、老若男女色々な方の作例があった方が経験値を感じる良い交渉材料になると思います。

2. 生業にしている人には「相互無償」を前提で切り出さない方が吉。

モデルを生業としているであろう人や、有償で承りますなどと記載している方、事務所に所属している方などに対して、いきなり「相互無償ですがいかがですか?」は相手にされないケースが多いと思います。お互いにメリットがあれば撮影しようとなるので交渉次第ですが、自分の作例が相手に撮られたいなと思ってもらえなければ成立しないため、まずは、少しでもコストをかけて撮りたい被写体モデルや、モデル、俳優の方に声をかけ、「掲示したレファレンス通りに撮ってみる」ということをおすすめします。DMなどで声をかけるときは、必ず条件を伺うのが良いです。

「撮らせてください!」  よりも
「撮らせて頂きたいのですが、雰囲気合いましたら条件など頂けますか」

と作例やレファレンスを添付した方が、返信をもらえる確率が高いです。先方がメリットを感じてくれれば無償になる確率も高くなります。

そして、レファレンス通りに撮ることで、双方の納得のいく写真になり、リピートしてくれたり、ブックに使ってもらったりなど、次回の作品撮りに繋がります。そうして作例を増やしていくことで、こちらから募集をかける時に、応募者の中に撮りたいと思っていた方がいたり、無償もしくはお金を払うので撮ってください!と連絡を頂けることが確実に増えます。そして、作例が増えていくと、どこかのタイミングで”作品撮り”の写真をきっかけに撮影の仕事などを貰えるようになるので、”作品撮り”で掛かったコストはペイできるようになります。その点、芸能人を撮影しているトップランナーのフォトグラファーは強いと思います。作例が雪だるま式に仕事を増やして行きます。早くポートフォリオ作らなきゃ、、、、、、。

3. 違和感を信じる。

これはどのような方となら撮影が上手くいくかという私の経験ベースの話ですが、被写体募集でたくさん連絡をもらう中で、撮影をお願いしようか迷うことがあります。

これは、自分の感覚を信じた方が良いです。

これは、カメラマン側も被写体側も同様かと思います。私の経験上、少しでも違和感を感じるときはドタキャンや撮影自体が上手く行かないことが多かったです。私も、被写体募集というものをし始めた当初は、ドタキャンされたことがあります。その方はアカウント名に独特な絵文字がついていて、連絡も遅かったりと少し違和感を感じていたのですが、当日に音沙汰がなくなりキャンセルされたことがあります。これはアカウント名に独特な絵文字がついていることと何ら因果関係はないのですが、私の中ではシグナルの1つだと思っていて、この違和感のシグナルは正しいことが多い気がします。話が噛み合わないなどの違和感を感じた場合などは、早々にお断りすることもあります。こちら側に落ち度がある場合もあると思うので、単純にご縁がなかったと思うようにしています。シグナルの感じ方は人それぞれだと思うので撮影しているうちにアンテナが育つと思います。そのため、ドタキャンなどのリスクを考え、初めましての方との作品撮りの時はスタジオを使わずに、一旦スナップ的に撮らせてもらって、信頼できる方だと思ったら、また声かけしたりしています。

また、良いシグナルもあり、それは写真の雰囲気です。相手がSNSに投稿している写真が、雰囲気の良いカフェであったり、美術館であったり、写真のセレクトが上手であったり、世界観が合う方との作品撮りは本当に実のあるものになると思います。また、自分が好きな写真家やフォトグラファーやカメラマンが撮っているモデルの方も、こうやって撮ったのかとしれっとエッセンスを吸収できるのでオススメします。

4. 犯罪に巻き込まれないよう注意する

SNSでよく見るので、これは啓蒙も兼ねてですが、SNSを通して知らない人と会うということは、かなりリスキーな事ではあるので、双方はある程度緊張感を持って撮影の予定を立てた方が良いと思います。例えば、人通りのある場所で撮影する。人が在駐しているスタジオを使う。初めましての人とは二人きりにならない。当たり前ですが、避けられるリスクは避けて撮影しましょう。


5. 被写体モデルの方の「撮ってください!」について

ポートレート写真を載せていると#被写体モデル として活動されている方から「撮ってください!」とDMを頂くことが多くなります。写真撮影を仕事にしている撮影者からすると仕事の依頼だと思って、コミュニケーションを開始してしまうのですが、実は逆で「有償でモデルをしています。私を撮りませんか?金額は○○円です。」という営業なことが多いです。(前提として、営業は悪ではないので、知っておくことが大切だと思います)こういったどちらがコストを負う側なのかわからない連絡をもらった場合は、下記の流れで確認するとスムーズです。

まず、プロフィールや投稿に、「被写体モデル」と記載あるか確認する。

▷「被写体モデル」の場合
「リク撮のお誘いということですか?」と聞いてみる。

▷「被写体モデル」ではない場合
「宣材撮影のご依頼でしょうか。作品撮りのお誘いでしょうか。」
と聞いてみる。

※被写体モデルを銘打つ方に敢えて「リク撮ですか」と聞くのは、話が早くなるからです。

撮影会被写体モデルとして活動している方は、to B の芸能活動の撮影ではなく、to C で被写体として活動しカメラマンからお金をもらうという形のビジネスをされている方が多い印象です。カメラマンが個人から撮影依頼を受けるのと同じパターンです。「個撮」「リク撮」という共通言語で販売されているので、「リク撮か」と質問をすることでどういう意図で連絡を頂いたのかが分かります。(被写体撮影会ではなく、個別撮影/リクエスト撮影ですよという意味です。つまり撮影会と同じようにカメラマンがお金を払う立場になります)営業は別に悪いことでは無いので、それを買うか買わないか、交渉するかは連絡を受け取った人次第かと思います。私もたまに連絡が来ますがその時に撮りたいと思うイメージに合えば喜んで受けるので、トラブルやミスマッチを避けるために、そういう自主制作の「作品撮り」をビジネスとした連絡があるくらいの予備知識はあると役立ちます。

(私の失敗談)
このような営業の連絡を頂いた時に、私は当然にお仕事だと思い「宣材撮影でしょうか」と聞いて、「はい!お写真が素敵だなと思い!」と返事が来たので、喜んで見積を出すためにレファレンスや提案資料を作ったのに、営業だったとわかったことがあります笑

まとめ

募集のテンプレート

上記を踏まえた募集投稿のテンプレートです。

【作品撮りのモデル募集(都内)】
無償、有償、お仕事のご依頼を問わず、モデルの方を募集中です。
私のポートフォリオに使用させて頂きたく募集します。
雰囲気の合う方はDMで条件を明記の上、ご連絡ください。
条件が合う方にのみ、数日以内にご返信させていただきます。
#被写体募集

※飽くまで、テンプレートです

本当に撮ってもらいたいというモチベーションが高い方から連絡をいただける確率が高くなると思います。

また、撮影までのコミュニケーションについては、下記をご注意いただくと良いと思います。

①お互いにメリットがある形で交渉する。
②金額交渉は、相手へのリスペクトを忘れない。
③違和感を信じること
④最初は緊張感も大事。くれぐれもお気をつけて。

※他にも色々あると思いますが、私が大事だと思っていることです。

以上、最後まで読んでいただきありがとうございました!
今回は募集に関してまででしたが、もっと撮影自体に関してのオススメスポットやTIPSに需要があればシェアしていきたいと思います。

ぜひ、フォローしてお待ち頂けますと幸いです!

プリセットも販売していますので、良かったら買ってください🙇
絶対損はしないボリュームだと思います!

では!



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