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【メキシコ/鍼灸院】来院される患者さんの比率

メキシコシティーにある東洋医学専門の鍼灸院【佳 Asia Acupuntura】です。

当院では病院にいってもなかなか改善されないさまざまな慢性疾患から急性の症状まで幅広く扱っております。

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「鍼灸」といえば最近では少しずつ日本でも馴染みが出てきたかと思いますが、ここメキシコでは「鍼灸は聞いたことがあるが、実際に受けたことがない」といって来院される方も多いです。

日本では鍼灸といえば、「肩こり」、「腰痛」最近では「美容」や「不妊」といった感じで認識されているのではないでしょうか。

しかしここメキシコでは「胃炎」「不眠」「不安」「肝機能障害」「喘息」「高血圧」「婦人科系疾患」など内科的な症状で来られる方がほとんどです。

日本の鍼灸のイメージとずいぶんかけ離れている感じがあるかと思いますが、本来鍼灸というのは「内臓を調子を整える」ということに非常に特化しています。

「臓腑経絡論」という鍼灸の理論があり、内臓の不調をツボとツボの道・経絡を使って調整していくというものです。

さて実際に院に来院される患者さんの比率ですが、当院では約8割がメキシコ人、残りの約2割が日本人、外国人、日系人というような感じです。

(外国人はフランス人、ドイツ人、イスラエル人、タイ人、ベネズエラ人などが来られます)

日本ではさきほど述べたような症状の患者さんはなかなか来られませんし、鍼灸師自身が本で読んだことはあっても、実際に経験したことがないような症状の方ばかりが来られるので、なかなか対応が難しいかと思います。

私も以前はこれらの症状の患者さんが来られたときに治療実績が少なかったので苦労することも多かったですが、(しかもスペイン語での説明・状態把握・問診などがしっかりできていなかったので)多くの患者さんを施術していくなかでしっかりと自信をもって施術できるようになってきました。

また2019年から日本にある東洋医学専門の鍼灸院で自分の知識・技術を深めるために修行させていただきました。

https://www.to-yo-shinkyu-seikotsuin.com

日本の東洋医学専門の鍼灸院ではメキシコと同じように慢性疾患や内科的な症状、運動器疾患の方も多く来られていました。

なぜかというと、日本は整体・カイロプラクティック・マッサージ・漢方・リハビリテーションなどさまざまな選択肢があります。

日本における鍼灸の立ち位置はといいますと、これらの治療法の延長線上にあるという認識で「肩こり」「腰痛」の際に鍼灸に行くといった感じです。

しかしそれらの治療法で改善せず、なおかつ病院でもなかなか改善が見られない慢性疾患の方がたくさんいらっしゃいます。

そのような方が東洋医学専門の鍼灸院に最終的に行くと行った流れです。

日本の外から日本をみていると、日本にはたくさん選択肢があるのに患者さん自身が取捨選択できず、なにかあったらまず病院、なにかあったらまず薬といった感じで西洋医学的に対処される方が多いかと思います。

メキシコでは最初にまずこちらでいう漢方のようにお茶を飲んだり、野菜や果物を使ったジュースを飲んだりします。

日本以外の国では医療費がとても高く、医療保険に入れない方もたくさんいらっしゃいます。

いかに病気にならないかを考え、食事・運動に気を使ったり、お茶やジュースなどで症状の緩和をはかる方も多いです。

よくメキシコ人の患者さんに言われますが、「日本はこういった鍼灸院がたくさんあって、鍼灸師もたくさんいるんでしょ?みんな何かあったらすぐ鍼灸に行けるから羨ましいね」とよく言われます。

日本でも最近は少しずつ鍼灸に対する注目が集まっています。

アジアの中でも鍼灸後進国の日本。

少しずつ鍼灸に対する需要が高まって、少しでも多くの方が慢性病で苦しまない世の中になればいいなと思います。


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