デブ君の巌窟王(1918)

ロスコー・アーバックル監督作品。

YouTubeで見つけたので、デブ君ことロスコー・アーバックルを初見。なんかイケメンにした岡田斗司夫みたいな顔の人っすね。

密造酒工場の出入り口の、巨大なからくり扉。

普通サイズの車からゾロゾロ40人くらい降りてくる物量ギャグ。

崖ぎわでの絶命スタント。

川での全身洗濯の後、丸ごと枝に干されるバスター・キートン。

「お前、ウチの娘を川に放り投げたら惚れられましたって、いくら何でも無茶苦茶やないか」と父親に突っ込まれると、「あのねこれ2巻モノだから、時間かけてらんないから」と返すメタ台詞。

なんかこれらを見ていると、キートン監督作品にしか見えない。

おまけに映画のところどころでキートンがアーバックルに向かって「いよッいいぞロスコー!」「さすがはおデブ様!」と全力でヨイショヨイショ。

さては例の映画史に残る醜聞(冤罪)の後の、キートンからアーバックルへの励ましの作か?と早合点したが、制作年度は例のアレの2年前。

どうも素直に師匠というか兄貴分というかをヨイショしているだけなのと、キートンの作風はアーバックルの影響が濃いという事なのだろう。

一方、アル・セント・ジョンの猿顔をからかうシーンでの全力顔芸は、キートンのこんな顔芸初めて見たと新鮮。

最後の最後で、キートン相手に「そういや俺は結婚してたからこの子はお前が幸せにしろよ」と娘を譲渡し、2人のハッピーエンドを尻目に、崖へと1人歩いて消えてゆくアーバックルで劇終。

デブ君の辿った運命を思うと、暗示的に思うなという方が無理な終わり方で、何ぞ知らんゾーッとしてしまった。

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