死霊のはらわたⅡ(1987)

サム・ライミ監督作品。

プロデビュー作『XYZマーダーズ』が悪夢みたいなコケ方をしてしまったがゆえ(というかまともに公開されなかったという)、絶体絶命の窮地に立たされたライミが渾身の力こぶで送る、笑撃のスプラッタアクション映画。

「やり方を変える気も必要性も特に無い! コケたのは題材のせいなんだから、ウケた実績のある題材でもう一回やれば良いだけ!」というライミの聡明な愚直さが炸裂する85分。アニメーションを実写にコンバートしたがゆえのシュール感も、大袈裟な効果音で笑わせるアクションコントぶりも、サスペンスやホラーがスーパーヒーロー映画(ボンクラ風味)に化けるテーマ遷移も、何から何までそのまんま!

「俺の命運を預けるなら、それはお前しかいない!」と言わんばかりのライミの気迫に応えるブルース・キャンベルの頼もしさだけでも、木戸銭払って拝む価値のある映画だろう。

それだけにキャンベルが画面から消えるたびに映画から力が抜ける事おびただしいのと、アクションとアクションの合間がただの工夫のない段取り説明シーンになっちゃってる(この問題を抱える映画は多い)のだが、ま、良いじゃないか。これだけ楽しませてくれるんだから。

私のお気に入りは、邪悪なディズニーアニメみたいに部屋中の調度品がゲタゲタ笑いまくるシーンと、ヘンリエッタが最初に地下室から飛び出してきたところの一同横並びでのマヌケなリアクションショット(ただ撮ってるだけじゃん!)、つづけて炸裂する顔面パンチへのデュクシデュクシという効果音のアホさ加減です。

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