トランスフォーマー/リベンジ(2009)

マイケル・ベイ監督作品。

10年以上ぶりに見直して感心した。前作が「アメリカ同士の喰らい合い」の映画なら、今作は「派兵」あるいは「対テロ戦争」を描いた映画になっている。つまりきちんと「アメリカ」についての映画でありつづけている。

極小レベルから極大レベルまでを往還する敵メカ軍団の描写に、「日常に潜むテロリズム」あるいは「米兵の手に負えぬ困難」を読み取る事は十二分に可能なのであり、決して十把一絡げのバカ超大作ではない。ここまで大掛かりに米軍の協力をあおいだ上で、「アメリカ」を体現した映画を作り上げる人は、もうマイケル・ベイ以外にはいないだろう。

映画前半の「大学生活=キケンな誘惑の多い世界」というギャグ描写の徹底に笑わされるが、『スピーシーズ』(未見)みたいなエロ美女機械生命体には、そこまでやるかとのけぞる。金属触手の先に生身のベロが付いていてレロレロするわ、大暴れして大学図書館を吹き飛ばすわ、ベイのブレーキの踏まなさ加減はもっと評価されるべきである。

前作がスピの『宇宙戦争』に怪獣映画としてまったく敵わなかったという自覚の上で、だったら今度こそ物理的質量ガン盛りで食らいつく!と言わんばかりのデバステーター出撃に燃える。

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