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【映画感想】グランツーリスモ

ゲームを全くやらない自分としては、ハリウッドにありがちな、マンガコミックの実写化のようなイメージを持ち、観る気は無かったんだけど。
実話の映画化ということと、かなりな高評価が付いていることに釣られて鑑賞。
結果はなかなかの好感触。

以下、ネタバレがあるのでご注意。

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まず、ゲームのスキルが、実際のリアルなドライビングに通用するんだということが驚き。
この「グランツーリスモ」と言うゲーム。ドライビングシミュレーターという言い方がされているが、物理法則に従って、現実を忠実に再現する事にこだわっている所が凄い。実在する車ごとに、それぞれ細かな車両調整が出来る事や、燃料消費やタイヤ摩耗、ブレーキの状態までも実際のレース同様に再現しているようである。コーナリングや加減速時に発生する「G」や、灼熱の車内などまでは流石に再現出来ないとは思うけど、それらを除けば、まさに仮想現実(バーチャルリアリティ)なのでは?と思ってしまう。

そして、ハードウエアであるプレステを含め、このゲームを作ったのが日本の会社(SONYグループのSCE)であり、このゲームのゲーマーである「ヤン・マーデンボロー」を見出し、育成し、スポンサーとして車の提供を行なったのが日産なのである。さらには、この映画を制作したのが、SONYグループ傘下のコロンビア・ピクチャーズであり、日本人の自分としては、この映画から、日本の底力、日本の存在感を感じて嬉しい限りである。

「グランツーリスモ」の生みの親である山内典一氏。この映画を通じて初めて知った方であるが、純粋に凄いと思う。(この方、何と自分と同い年ではないか!)
そして山内さん、東京の寿司屋のシーンで、店主としてカメオ出演しているんですね。SONYグループの力かも知れないけど、リスペクトが感じられて良い。

最近は、世界の中での存在感がどんどん薄れてきている感のある日本であるが、まだまだ捨てたもんじゃない、自分も頑張らねば!と前向きな気持ちを与えてくれる映画という所。

前置きが長くなったが、内容について。

やはりリアルな音と共に展開されるレースシーンが、この映画の醍醐味。前半は日産GT-Rを筆頭に、ランボルギーニ、フェラーリなどのスーパーカー同士が、ぶつかる事も厭わずに競い合うシーンに圧倒される。どこまでがリアルな映像で、どこがCGなのかが、もはや分からないのだが、そんな事を気にしても意味が無いのである。

後半はルマン24時間耐久レースのシーン。
ゲーム上で何千回も走った事があり、コースは熟知している、そしてゲームで培った独自のライン取りでライバルを抜き去る、この辺りも如何にも「グランツーリスモ」が現実を忠実に再現した賜物と言えるのではないか?とワクワク感に浸れるシーンである。

あとは、イングランドリーグの元サッカー選手である父親との確執。世間的に見ても、四六時中ゲームをやっている息子の将来を心配しない親は居ない。 しかし、「ヤン・マーデンボロー」は、子供の頃からの夢であるレーサーを、ゲームの中で追っていたのである。ルマン24時間で3位に入賞し、父親と抱き合ったシーンは本当に感動的であるし、世間一般の考え方の殻を破ったと言えるシーンだと思う。

このような仮想現実的な世界からスキルを身に付け、夢を実現するというのは、これから色々出てくるのではないかと思う。

「ヤン・マーデンボロー」が子供の時に、フェラーリ(恐らくF40)の前で撮った写真。夢をあきらめるな!と言っているようで印象に残る。

以上

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