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【映画感想】瞳をとじて

何かミステリー風な雰囲気で面白そう、と思ったのと、レビュー点数が高いのに釣られ、公開2日目で早速鑑賞。

以下、ネタバレがあるのでご注意。


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この映画、とにかくダラダラと無駄に長い。

まずは劇中劇と言うのか、この映画の中で制作された映画『別れのまなざし』のシーンから始まる。

そして、その映画の撮影中に主演俳優である「フリオ」が失踪し、映画は未完成となり、フリオは生死不明のまま22年が経過した状況が描かれる。

ここまで書くと、いかにもミステリアスで感動のラストが期待出来る雰囲気なのだが。。

物語は劇中の映画である『別れのまなざし』の監督で、フリオと海兵隊時代からの親友である「ミゲル」を主軸に描かれる。

ミゲルは、出演料を目当てに、かつての人気俳優であったフリオの失踪事件を追うテレビ番組に出演するが、それをきっかけに、改めてフリオの消息を探る人生の旅に出るのである。

フリオの娘の「アナ」や、かつてのフリオの恋人に会うが、特に何も新たな情報を得られることもなく、海辺の自らの住み家に戻る。

何とも、これらのシーンが、ただの関係者の紹介と言う感じで、とにかくだらだらと長く、何の感情移入も出来ない。特に海辺のミゲルの住み家のシーンは、ご近所さんと一緒に食事し、歌い、漁に出るんだが、こんなシーンいる?という感じ。ミゲルの普段の慎ましい生活を見せたかったんだとは思うが、唐突感がある。

そして、テレビ番組をきっかけに、フリオに似た男が海辺の施設にいるとの情報が寄せられ、物語が急速に動き出すのだが、、

ここからのフリオとミゲル、そしてフリオとその娘のアナとのやり取りのシーンは、ある程度、感動を覚えるのだが、フリオはなぜ記憶喪失になっているのか?、そしてなぜ失踪したのか?について語られる事なく進むため、消化不良なのである。

強いて言えば、失踪時、海の崖にフリオの靴が揃えて置かれていたと言う事から、敢えて自殺に見せかけて失踪したんだと言う意図は汲み取れる。

ただ唯一、記憶喪失のままのフリオの無骨な感じと、ミゲル、アナとの交流シーンは印象深い。

そして最後、フリオの記憶を取り戻すべく、登場人物を映画館に勢揃いさせた上で、『別れのまなざし』をフリオに見せるのだが。
ここで、感動的にフリオが記憶を取り戻し、涙ながらにミゲルやアナと抱き合う。と言うシーンは出てこない。

映画を観ているフリオが目を閉じて終わるのである。まさに「瞳をとじて」終わるのである。
最も感慨深いシーンではあるが、後は、観る人の想像に委ねるというところか。

以上

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