今年も山の日が来た。
8月11日。今年も山の日が来た。
私にとっては、山の日は結婚記念日でもあり、大切な日だ。
昨年のこの日は、尾瀬でテント泊していたけれど、今年は夫が旅行中のため、山の日を一人で過ごしている。
山の日は、Twitterのタイムラインが山の景色で埋まるので楽しい。
それぞれの頂に、それぞれの喜びがあって、キツかった!大変だった!でも最高!と、みんなが笑顔で写真におさまっている。
◇
家にいてなんとなくビールを開け、テレビをつける。
すると、「みんなで登ろう!!日本百名山スペシャル」という番組が録画されていたので観ることにした。
よく私は人から、どの山が一番好きかと訊かれる。
私の答えはいつもきまっている。
一番最近に行ってきた山である。
「日本百名山」後記
それな!!
と、深田久弥に全力で共感する。
ちなみに私が今一番好きな山は磐梯山である。
来週は、たぶん岩手山が一番好きと言っているはず。
◇
「みんなで登ろう!!日本百名山スペシャル」の中で、ほぼ登山経験がないというアナウンサーの女性が北アルプス常念岳に登っていた。
おぼつかない足取りながらも、沢を渡り雪渓を乗り越え、頂上からのご来光に涙していた。
「この景色見ちゃうと、キツかったこと全部忘れるよね。」
これである。
山をやるひとは、山の景色と空気に、心臓のど真ん中を揺さぶられて掴まれて、持ってかれるのだ。
ここにたどり着くために生きてきたのだ、とさえ思ってしまう。
山に何度も登る人は、高いところに魂を置いてきてしまうのだと思う。
だから、何度も自分の魂に逢いに、山に登るのだ。
常念岳に登った女性アナウンサーも、魂を持ってかれただろうか。
◇
百の頂に、百の喜びあり。
今年も山の日が来た。
今年も、来年も、ずっと山のてっぺんに喜びがあふれますように。
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