競争の構造@クレジットカード領域
クレカ回りについて調べることがあったのでシェア。主にマーケ視点で記載。認識違うところがあれば指摘くださいませ。
サマリ
①日本は、法規制や資金移動コストが高いためクレカが普及
②市場が成熟し、札束の殴り合いがメインのゲームに
③総合格闘技もできると更に強い
④楽天カードの勢いが止まる理由がない
⑤他プレイヤーのアクションの方向性
①日本は、法規制や資金移動コストが高いためクレカが普及
8makiさんの記事が最も参考になるので、そちらをご参考くださいませ。
ざっくりまとめると
・1984まで銀行がクレカを発行できなかった一方、小売がクレカを発行
・クレカは分割/キャッシング/リボのビジネスモデルで普及し収益性がよく、ユーザーへの還元も良い
・銀行発行のデビットでは太刀打ちできない
という内容です。
②市場が成熟し、札束の殴り合いがメインのメームに
そんな具合で、クレカが普及していき市場が伸び、現在ではキャッシュレスの波もあり成長。カードの違いがわからなくなり、差別化して選んでもらうことが大変に。
差別化する方向性は大きく下記の2つ。
・いまある価値を磨く(カードスペック上昇、インセンティブ増加)
・新たな付加価値をつける(新しい体験を提供する)
前者は、わかりやすく直接的なメリットなので目が行きがちですが、スペックやインセンティブのアッパーは会社の収益基盤に依存するはずです。
クレカ以外にも、収益基盤を持っている企業が有利になる構造で、コングロマリットやテクノロジー企業など資本力や収益率が高い企業が有利なゲームだと想像します。
③総合格闘技もできると更に強い
後者の「新たな付加価値をつける」は、「Apple Card」がわかりやすい例。チタン製でカッコいい!などビジュアルデザインに目が行きがちですが、iPhoneでのアクティベーションの楽さ、ウォレットアプリとの連携で新しい決済体験を提供しています。
他には、1回の登録で関連サービス全部の決済に使えたり、PayPayに唯一チャージできたりする「Yahoo!カード」があります。効率化だけでなく、ほかサービスへの課金ハードルを下げるなども狙いとしてあるかなと。
という具合に、「札束で殴るだけでなく、周辺サービスも活用してユーザーを囲い込むアプローチ(=総合格闘技)」を各社行っているのかと思います。それがうまく行けば、ユーザーも定着しますし、収益も上がるので更に札束で殴れるようになるという永久機関。
④楽天カードの勢いが止まる理由がない
そんななか、一番有利なのは「楽天カード」との予想。ECはもちろんのこと、金融では銀行や証券を抑えています。
先日、公取委から全銀システムの手数料へ提言があり、手数料はこれから下がっていくと思います。それにあたり、チャージコストが低くなるので、edy(プリペイド)をデビットっぽく使う人が増えていくのかなぁと思います(suicaとの提携も追い風)
加えて、通信キャリア事業もあるのでキャリア内での送金もできるようになるので、更に盤石に。決済金額は10兆円に迫っているので、1カードとしてトップを独走している未来が見えます(コロナで成長鈍化しているとはいえ、依然として成長してるっぽい)
⑤他プレイヤーのアクションの方向性
【自社事業が競合比で多いケース】
・ユーザーの囲い込み
強弱はあるもののスピードとお金で囲い込み。経済圏のサービスを使うインセンティブの構築をしてユーザーに定着してもらうのが鉄板なのかなと。楽天は顕著ですね。
使いやすさや体験の話でいくと、個々のサービスが優れているというよりサービス群トータルで優れているというのが大事かも。あとはM&Aや自社開発でサービスを増やして盤石にしていくことが考えられます。
【自社事業が競合比で少ないケース】
・他サービスとのアライアンス(楽天などに対抗する場合)
自社でサービス群を構築できない場合は、まずはアライアンスかなと思います。楽天などとガチンコ対決する場合はコレ一択なのではないかなと。もちろん、自社開発やM&Aもあるかと思いますが、理由があって自社開発が少数になっているのかと思うので、ケースバイケースな予感。
【自社事業が他にないケース】
※そもそもこのケースは無い?
おわりに
最後のアクションパートが雑なので、次は更に具体的にして書く。
参考資料
各社がどんな事業を持っているか、丁寧にまとまっている
公取委の全銀システムの見直し提言
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