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【資本主義をチートする01】年収300万だった僕が、所得倍増計画で取締役になれた理由

 今は違うのだけれど、わたくし吉家孝太郎がいちばん最初にブログを書き始めた時のタイトルは「年収300万円だった僕が、一戸建て庭付き4LDKのマイホームを買えた理由」というものだった。

 ところが、この10年の間に、住宅ローンの金利があれよあれよと下がってほとんどゼロ金利みたいになり、かつ日本の若者の平均年収が、みな300万円ぐらいまで下がってきてしまった結果、300万円はフツーで、かつマイホームも別に夢ではなくなってしまったので、今ではブログのタイトルを変えてしまったのである。

 そのため、ブログの内容も、当初はマイホームと不動産中心だったけれど、これまた今では経済全般について書くよもやまブログになっている。それがこれ↓。

「吉家孝太郎のつぶろぐ(呟くブログ)」


 というわけで、今ではおうちを買う話はメインではないのだけれど、あれから不動産はもう一軒増えていて、おうちは2軒になっている。

 それよりも、この10年でヨシイエの環境が大きく変わったのは、年収が倍増して(たかだかではあるが)600万円を超え、一介の転職組平社員から、現在は取締役になっている。もちろん、ちっちゃな会社なのだが。

 それでも、うちの兄弟会社の役員は、年収1000万をもらっているので、当面はそこが目標になるかもしれない。

 おお、まるでイケダハヤト内閣の「所得倍増計画」みたいだな!と思って、それなら安い年収、つらい立場でくすぶっている若者のためにも、何か役に立てる体験が書けるのではないか、と思い立ってこのシリーズを始めることにした。

 ちなみに「イケダハヤト」といっても、あちらの”イケダハヤト”さんではなく、元総理大臣の「池田隼人」さんのほうである。昭和35年に池田内閣がぶちあげた「所得倍増計画」というのが元ネタだけれども、今の若い人は知らないよなあ。


 このシリーズで書いてゆくのは、ぶっちゃけ「資本主義にはチート術がある」ということだ。チートというと、ネットゲームなどで「ズル・不正」のような意味で使われているが、そちらよりは「裏技・気づかれていないやり方」のような意味で使いたい。

 ライトノベルで異世界転生した主人公が、元の世界で身につけていたワザを使って成功する、なんて話でもそのワザを「チート」と言ったりするけれども、そんなニュアンスに近いかもしれない。

 そう。所得倍増にも、出世にも、ぱっと見誰もが気づかないような裏技が確かにあるし、それを使いこなせればこのセカイはもっと生きやすくなる。また別の言い方をするなら、資本主義のライフハックみたいなものかもしれない。


 さて、所得を上げようとするときに、普通の人が考えるのは「いっぱい仕事をしたら給料が上がるだろう」「めっちゃ頑張ったら給料が上がるだろう」ということだと思う。しかし、それは間違いだ。

 もしあなたが、「フルコミッション営業」や「時間給」などで働いているのであれば、それはいちおう成り立つ。つまり、働く時間を増やしたり、契約をたくさんとってくれば、その何割かがあなたのものになるので、そりゃあ当然実入りは増えるだろう。

 しかし、あなたが普通の給与所得者であれば、いっぱい仕事をしても、頑張って仕事をしても、ほとんどすぐには給料は増えない。私は取締役をしているので、当然人事に関わる権力を持っているが、「いっぱい仕事をしてもせいぜい残業代を規定どおり払ってその分が増えるだけ」であり、「頑張って仕事をしても『やあ、頑張ってるね!』と言えるくらい」である。

 じゃあ、給料が上がるのはどんな時かと言うと、その従業員が(とっても、私も従業員役員なので、同じ立場なんだけどね)「次の役職に就く時」に給料は上がるのだ。ヒラから係長になるとき、課長になるときに給料は上がるのであって、ヒラがずっと頑張っていても、ヒラのままであれば給料は横ばいなのである。

 ということは、つまり、「次の役職に就く」ための行動や、その選抜に通ることで給料は上がるのであって、努力に正比例するものではない、ということを知るのがチート術なのだ。

 ちなみに、役職がついて給料が上がる時は、5万・10万ドカンと上がる。ベースアップや、年功序列みたいにちまちま上がったりはしないのも、知っておいて損はないと思う。

 そして、多くの若者は、そのドカンと上がる瞬間が待てずに、辞めてしまうことも多い。もったいないことだけれども、それを知らないから「自分は頑張っているのに、給料に反映されない」と感じてしまうというわけだ。

 ところが、残念なことに、この世界の仕事はRPGとは違うので、貯まっている「頑張り」がレベルメーターではっきりわかったりしない。せめて会社におけるHPやMPの貯まり具合を見ることができれば、あと少しでレベルが上がるので「もうちょっと頑張ろう」と思えるのかもしれないけれど、そうではないのが悲しいところである。


 とまあ、これが社内、組織内における所得の増やし方のお話だとすれば、社外でもお金を増やすことはもちろんできる。いわゆる副業というやつだが、私もいくつか副業をやっているし、不労所得がおのずと入ってくるしくみも作っている。

 この連載ではその方法についても、おいおい説明していこうと思うけれど、まずは資本主義の仕組みをきちんと理解しておかないと、結果は伴わないかもしれない。ゲームの攻略本を読んでおかないと、いろんなアイテムを取りこぼしてしまう、そんな感じだ。


 ちなみに余談なのだけれど、ヨシイエが今の仕事について、「資本主義のしくみと仕事とやらのしくみは、僕達わたしたちが思っていたのと、どうも違うっぽいぞ」と感じたのには、わけがある。

 それは、うちの会社がちょっとした縁で、本社に相当するような大きな会社と提携していて、そこの資本がほんのちょっとだけうちの会社に入っていたものだから、その会社をA社とするならば、一時期うちの会社はA社の名前を使っていたことがあるのだ。

 そのA社は、僕が今の会社に入っている間に結局つぶれてしまったのだが、つぶれる前に「産業再生機構」の支援が入って、あれこれテコ入れが行われたのである。

 そんなわけで、僕は直接の雇用関係はないのだけれど、その昔、本社とやらへ行って、産業再生機構の人間のご指導ご鞭撻をたまわった。

 産業再生機構の偉い人は、東京からポルシェに乗って本社にやってきては、あれこれ指示を出したり、僕にプレゼンをさせたりしていたのだけれど、彼らは結局のところ、「ふつーに給料をもらって仕事」なんてしていないのだった。

 すごくはしょって簡単に言えば、産業再生機構が手助けするような会社は、ナウ現在株価も下がっているし、企業価値が低いわけで、そこへ再生軍団が乗り込んできて、安く株を手に入れて「役員・取締役であーる」と名乗っては会社のやり方をテコ入れしてゆくわけだ。

 それでもし業績が回復して、株を再上場でも出来たものなら、「底値で買った株の価値は爆上げして、その利益でポルシェが買える」わけである。お目当てはソコであって、そのために彼らは再生の仕事を頑張っているのである。

 つまり、僕ら下々の者が「仕事を頑張っている」というのとは意味合いがまったく違うのだ。

 彼らはその道のプロなので、そんなことを繰り返しているからポルシェに乗ってやって来れるのだ。なんならベンツでもいいぞ。そのカラクリが分かった瞬間、「これが資本主義か!」とビックリしたものだ。


 少なくとも、企業人、社会人、組織人として、「上は何を考えているか」「真ん中は何を考えているか」「ヒラの僕らは何を知っていて、何を知らないか」を理解しておくのはとても重要だと思う。

 下々の僕らが、今の境遇を愚痴ることも大事ではあるが、資本主義のチート術は、そんな立場とはちょっと違う目線で考えなければ見えてこない。この連載では、そんな話を書いていくつもりである。

 




 

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