【新・資本主義をチートする11】 誰かのために仕事をするのは、やーめた!
ふだん、世を忍ぶ仮の姿で会社勤めをしているヨシイエさんですが、前シリーズの「資本主義をチートする」の有料部分で詳しく説明したように、実はいろいろな副業をしています。
その副業の中に、「モノ作りをする」というのがあって、毎月ほんの少しの量ですが、手作りの品を作っては販売することをやっています。
副業としてのモノづくりは、心得のある人にとっては、かなりとっつきやすい副収入になります。たとえば、会社員をしながらでもアクセサリー作家をなさっている方や、ハンドメイド界隈は、とくに女性には人気の実益を兼ねた趣味となるでしょう。
ヨシイエさんは男性なので、可愛いアクセとかは作りませんが、基本的には木工品を作ります。とはいえ、工業製品ではなく、こちらもハンドメイドなので、それほど高い金額のものは作りません。せいぜいひとつ5000円くらいです。
さて、先日の話です。そのモノづくり活動を別名義でやっているものですから、その名義のことを知っているとある人物からメールが来て、「あなたの作品を当社で販売したいのだが」という打診が来たことがありました。
相手は私が、その別名義でとある媒体の原稿書きをしていることも知っていて、その依頼主(会社です)のオーナーAさんと知り合いだと言うので、私も丁寧に応対していました。
その原稿提出先のオーナーAさんとは、もう十年以上の知り合いで、わたくしヨシイエが書籍の監修をしたりと、長いつきあいですから、彼に迷惑がかかってはいけないと思っていました。
さてさて、その人物が言うには、わたしが作っているモノを取り扱いたいので、詳細を教えてほしい、ということでした。
ちょっと調べると、なにやら数年前に起業家セミナーの受講生をして、それから会社を立ち上げた人物のようでしたが、その会社のサイトではたしかに何がしかのものを売ったりしているようではあるけれど、販売ブースがあるわけでもなく、よくわかりません。
そこで、ヨシイエさんは丁寧に、「私が作っているものはハンドメイドレベルで、御社のように会社組織として取り扱うような工業製品としての精度が出ていないため、ご希望には添えないかもしれません」とお断りを入れた上で、
◆ 自分には本業があり、隙間時間を製作に当てていること
◆ 受注生産で、依頼者・希望者にある程度待ってもらってお送りしていること
などを正直に説明したのです。
すると、何が気に入らなかったのか、メールの返信で、その人物は突然怒り出し、
「おまえにはやる気がないのか!」
とか
「いいわけするな」
みたいなことを次々に書き出したのです。
海千山千の修羅場をくぐり抜けてきたヨシイエさんですから、それくらいではビビリませんが、
「なんじゃこいつは?!」
と、おもわず呆れてしまいました。こんなスタートアップ起業家がいるのか・・・、と。
もちろん、後で元々の知り合いのAさんと連絡を取って、
「こういう人からメールが来て、なぜか怒らせてしまったようだけれど、そちらに迷惑がかかっては申し訳ないので、こんなことがあったと報告しておきます」
という話をしました。Aさんは「彼はちょこっとだけ関わった人物で、あの人少し変わっているけれど、まあ許してあげて」ということでしたので、大人なヨシイエさんとしては、Aさんに迷惑がかかっていなければそれでOKと、まるく収めたわけです。
Aさんによると彼は、Aさんの会社の品をebayで海外に売ったりしているそうですが、それで国内にはあまり実態がない様子だったのかもしれません。
その人物がわたしに対して怒り出した理由は、こちらもおおよその見当はついています。ようするに、自社で販売したいと目星をつけた商材があって、それを「買いつけて、売ってやろう」と言っているのに、相手が最初から「ボチボチやってますんで、作る気があまりないですよ」ということを、のっけからほざいたからですね。
なので「やる気がないのか!」という流れになったのでしょう。
ここで正直にお話しておきますが、わたくしヨシイエ。その木工品づくりはとても好きで、自分のライフワークのひとつとしても力を入れてやっていますが、んがしかし!だがしかし!
「誰かのために働かされてまで、それを作るつもりはない」
と宣言できます。こっちも10年以上それをやっていますので、
◆ 市場規模がどれくらいか
◆ 年間販売数がどれくらいか
◆ 価格帯はどのくらいか
といったことは、十分頭に入っています。そして、基本的に趣味の品なので、それが爆裂して売れることもないこともわかっています。仮にその人物のサイトで取り扱いをしても、年間10個か20個売れたらいいほうでしょう。そもそも、そういうものなのです。5000円×20=たかだか10万円ぽっちの話です。
となると、資本主義チート術の鉄則として
「在庫は持たない。受注生産」
「欲しい人にだけ売る、無駄な労力はかけない」
ということを遵守しているわけで、そのためにそれを作ることは
「赤字が出ることはなく、確実に儲かる」
のですね。
わたしは他人が儲けるためにそれを作るつもりはなく、小さな市場ですがブルーオーシャンで、その利益を私ひとりが独り占めするつもりでいるわけです。
それを他人が見ると、「やる気がない」と見えるのでしょう。たしかにそうだと思います。
あなたのために、頑張るつもりは、わたしにはない
のですから。
わたしはふだんの仕事では一生懸命、誠心誠意、相手の都合に合わせながらやっていますが、それは取引先、会社、顧客というシステム全体の流れがあるために、それを調整し、スムーズにすることが営業上の役割だからです。
それに対して副業は、「私しか作り手がおらず、私が生み出した、他にはないもので、私の好きな世界を商品化したもの」ですから、基本的には他者に合わせる必要はまったくありません。
それでもむしろ、依頼者さんからは「こんなカスタマイズはできませんか?」とお願いがあったりして、ほとんどすべて相手の希望通りに改造して作るということをやっていますから、「相手に合わせる」というところのツボ、本質が違うのです。
私はそれ以外でもいくつか副業をやっているので、「誰かのために仕事をするのは、やーめた!」ということを実現できていて、大変に幸せだと思います。
本業で多少のストレスがあっても、そのしんどさが全部吹き飛んでしまうくらい、自分のために仕事をするのは喜びです。
願わくば、もう少し市場規模が大きければなあ、といったところでしょうか。
※ヨシイエがやっている副業については
のあたりで説明しています。ご参考まで。
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