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ChatGPTに小学生の算数の問題を解かせてみたら、面白いことがわかった。


 ChatGPTに大学院の問題を解かせてみたり、関西弁を喋らせてみたりと、無茶振りを続けている連載だが、今回は「小学生の算数」に挑戦させてみる。


『りんごが3つありました。みかんが5つありました。全部で果物はいくつありますか』
『りんごが3つ、みかんが5つあるので、全部で果物は8つあります。』


→ まずはものすごく平易な問題から。りんごとみかんの合計を問うもので、「果物」という同じカテゴリに入ることを理解していれば、合計の8は導き出せる。この段階ではらくらくクリア。



『りんごが3つありました。みかんが5つありました。それぞれを半分ずつに分けたとき、全部で何人に配ることができるでしょうか』
『りんごを半分ずつに分けると、3 ÷ 2 = 1.5 個になりますが、個数は整数でなければならないため、切り捨てて1個になります。同様に、みかんを半分ずつに分けると、5 ÷ 2 = 2.5 個になりますが、個数は整数でなければならないため、切り捨てて2個になります。

したがって、りんごを半分ずつに分けた場合には1個、みかんを半分ずつに分けた場合には2個の果物が配られることになります。従って、全部で3人に配ることができます。』


→ この問題については間違った解答になった。

 人間の場合は「それぞれを半分ずつ」と読んだ段階で、りんごとみかんを1/2ずつにカットする。ところがChatGPTは3人と解答。間違いである。

 こうしたことから「数字」は概念として理解しているが、それが「個」といった、パーツのまとまりとして存在することは理解していないことがわかる。



『りんごが10個あります。みかんが8個あります。そこへバナナを6本持ってきました。みかんはいくつありますか』
『バナナの数は問題に関係ないので、りんごが10個、みかんが8個ある状態から始めます。

したがって、みかんの数は8個です。』


→ 少しひっかけ問題を作ってみたが、ChatGPTは、間違えずに正答した。
 りんご、みかん、バナナを混ぜながら、みかんの数だけを問いかけた問題だが、バナナが無関係であることはきちんと理解している。みごとである。




『たかし君はみかんが好きです。みかんは1個100円します。たかしくんは財布にお金を1250円持っています。みかんがいくつ買えるでしょうか』
『たかし君が買えるみかんの数は、財布に入っているお金をみかんの値段で割ることで求めることができます。つまり、1250円 ÷ 100円/個 = 12.5個 となります。

しかし、問題文によるとたかし君はみかんが好きなので、12個以下の整数個のみかんを買うことになります。したがって、たかし君は12個のみかんを買うことができます。残りのお金は1250円 - 12個 × 100円/個 = 250円となります。』


→ 財布にお金が入っていて、それでものを買うという概念が、ある程度わかっているのはすごい。1250円というきっちり割り切れない合計で買い物をするという課題だが、前半では12.5個のみかんが買えると正答した。

 ところが、なにをトチくるったのか、「整数である12個のみかんが買える」とわかっているのに、250円を残してしまうというナゾのミスを犯している。

 正解は12個のみかんが買えて、50円おつりが残る、である。

 こういう小学生らしい間違いを犯してしまうところが、子供っぽい。



『みかんは100円です。りんごは150円です。バナナは150円です。いちごは200円です。ミックスジュースを作るには、みかんとりんごとバナナが必要です。さて、いくらお金が必要でしょう。』
『ミックスジュースを作るには、みかんとりんごとバナナが必要です。それぞれの果物の値段は、みかんが100円、りんごが150円、バナナが150円となっています。

したがって、必要な果物の値段の合計は 100円 + 150円 + 150円 = 400円 となります。従って、ミックスジュースを作るためには、合計で400円のお金が必要です。』


→ 必要なお金を計算して予算組を立てる問題だが、これは素晴らしい。必要なものとそうでないものをきちんとふるいにかけて合計しており、充分に理解している、と評価してさしつかえない。


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 全体的にみて、「整数」を取り扱うものについては、きちんと理解、把握ができていると言えよう。ただし、分数や小数が入ってきた時、人間のように「モノ」「物体」「パーツ」としてとらえず、数学的な「半端な状態」として捉える傾向がある。

 この部分のチューニングが進めば、実用性がグッと上がると思われる。


 





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