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【Album Review】André Mehmari "MUSICA PARA UNS TEMPOS DE CÓLERA"

ブラジルが生んだ現代最高峰のピアニスト・作曲家、アンドレ・メマーリによる新作が、今日(2020年5月15日)になって突然リリースされた。
なんと今年に入ってすでに3作目!

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*撮影:三田村亮。<THE PIANO ERA 2013>出演時より。

20作を超えるアルバム・リリース、リオ五輪閉会式でアレンジャーを務めたこと、またリーダーとして行った5回の来日ツアーによって、日本でもブラジル音楽リスナーに限らず多くのファンを獲得しているアンドレ・メマーリ。
その活動は多岐に渡っているので、全体像についてはまた改めて記すとして、ここでは新作について書いていくことにする。

新作について

新作のタイトルは「MÚSICA PARA UNS TEMPOS DE CÓLERA」で、訳してみるなら「コレラ時代の音楽」。
辞書を引くと、"CÓLERA"はコレラ菌の意だけでなく、①怒り、憤怒②獰猛さ③激しさ、という意味もあるらしい。(現代ポルトガル語辞典/白水社)。
メマーリが拠点とするサンパウロ州においても、新型コロナ感染拡大による外出規制が続いている。そんな中でもアルバム制作をすることができるのは、自宅のすぐ側に自身のスタジオを所有し、演奏はもとより録音・ミックス・マスタリング等の編集作業をすべて一人で完結させることができるからだ。

ピアノに限らず、30種類近くの楽器を演奏し多重録音によって作品づくりを行ってきたメマーリは、StayHomeの時代にあって最も高いパフォーマンスを生み出すアーティストといえる
Facebookを中心とした彼のSNSアカウントからは、ほとんど毎日のように新しい動画が配信されているが、その多くがプロフェッショナルな品質によるものだ。
極端なまでに性急なリリースのペースとその質の高さは(関連作を含めると1-2ヶ月に1枚のアルバムがリリースされる)、様々なアーティストによる自宅ライブの映像や作品が同一のタイムライン上に並ぶこの時代にあって、ますます存在感を高めている。

新作の収録楽曲は全てがメマーリ自身によるもの。
レコーディング期間は今年1月-5月とのことだが、多くの楽曲は検疫期間中に録音されたもののようだ。
メマーリは本作でピアノ、シンセサイザー類、アコーディオン、フルート、マリンバ、ホルン、ソプラノサックス、ギター、ヴィオラなどを演奏。
ネイマール・ヂアス(bass)、セルジオ・ヘジ(drums)とのレギュラー・トリオ(2016年の来日メンバーと同じ)による楽曲が半数近くを占めるが、自身でベース、ドラムスを演奏している曲もある。

※M6 "Wardir"スタジオ・ライブ版。アルバムではウーリッツァーが加わる

※M3 "MAYSWAYS (Lyle Mays in memorian)"。タイトルどおり、先日亡くなったキーボード奏者ライル・メイズに捧げられている。

※M10 "CLARA"。スペイン・マラガ出身のフルート奏者クララ・ガジャルドとのデュオ。

アルバム購入について

販売は現在(2020/05/15)のところ下記アーティストサイトのみ
ダウンロード/wav 16/44フォーマット(CD品質)で、39ブラジルレアル(約720円)。
ストリーミングサイトでの流通、CD版のリリースもしばらく後になるとのことで、良い音質でいち早く聴きたい方はぜひ直接購入してサポートに繋げてほしい。
https://bit.ly/3dG5j1M

※5/16追記:ブラジル国外からの購入について、システム障害によりスムーズに出来ない事象が起きているそうです。
その際はレーベルのアドレスにメールすれば対処します、とのことです。(英語も対応可)
⇒estudiomonteverdi(アットマーク)gmail.com

オンラインイベント決定!

この新作を軸とした、アンドレ・メマーリのオンライン・イベントが決定しました。
演奏やトーク、そして参加者の方とのQ&Aも予定されています。
(アンドレ・メマーリに直接こんなこと聞いてみたい!というリクエストなどあれば、ぜひ。)

André Mehmari Masterclass "Música para uns Tempos de Cólera"
6/26(金)22:00
https://www.facebook.com/events/899192990559703/


Track Listing / Personnel

All compositions written and arranged by André Mehmari

1 -MUSICA PARA UNS TEMPOS DE CÓLERA
Feat. Rafael Cesário, violoncelo
André Mehmari: piano, bateria, contrabaixo acústico, synth

2 - RIVERA
André Mehmari: piano e synth
Neymar Dias, contrabaixo acústico
Sérgio Reze, bateria

3- MAYSWAYS (Lyle Mays in memorian)
André Mehmari: piano e synth
andré mehmari .música para uns tempos de cólera

4- VEREDAS
André Mehmari: piano, flauta, voz, pau de chuva e synth
Neymar Dias, contrabaixo acústico
Sérgio Reze, bateria

5- SARABANDA PARA UM NOVO ANO
André Mehmari: piano, Fender Rhodes, marimba de vidro, trompa e synth
Neymar Dias, contrabaixo acústico
Sérgio Reze, bateria

6- WALDIR
André Mehmari: piano acústico e elétrico (Wurlitzer)
Neymar Dias, contrabaixo acústico
Sérgio Reze, bateria e percussão

7- SOLITUDE
André Mehmari: piano solo

8- FERMATA
André Mehmari: piano, sax soprano, bateria e synth (Prophet 5)

9- MARGARIDINHA
André Mehmari: piano, acordeom e synth
Neymar Dias, contrabaixo acústico
Sérgio Reze, bateria

10 - CLARA
Feat. Clara Gallardo, flauta
André Mehmari: piano

11- CANÇÃO DE MINUTO
André Mehmari: piano, guitarra, vozes e órgão Hammond

12 - RAFA NASCEU
Feat. Rafael Cesário, violoncelo
André Mehmari: piano e synth

13- SARABANDA PARA UM NOVO ANO (Take alternativo)
André Mehmari: piano, viola, contrabaixo acústico e trompa

14- MAYSWAYS (Take alternativo)
André Mehmari: piano e synth

Tempo total: 69:45

Gravado, mixado e masterizado por André Mehmari
no Estúdio Monteverdi entre janeiro e maio de 2020
Serra da Cantareira, Brasil
Exceto flauta de Clara Gallardo gravada em Madri, Espanha, pela própria artista
Violoncelo de Rafael Cesário na faixa 1 gravado em sua casa, pelo próprio artista
Arte da capa por Maria Birba
“Clara” e “Margaridinha” são canções que possuem letra escrita por Silvio Mansani, aqui em leituras instrumentais.

Mais informações em:
www.andremehmari.com.br


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