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ネットワークビジネスの勧誘を受けて地獄一歩手前まで行った話。

どうもずーみんです。


ネットワークビジネスってご存知ですか?

よくネットビジネスと一緒にされたりするんですが、その形態は全く違うもの。


ネットビジネス=インターネットを活用したビジネス(ブログ含め)

ネットワークビジネス:アムウェイをはじめとした連鎖販売取引。


言ってしまえばネットワークビジネスは(合法の)ネズミ講みたいなもんです。

権利収入という単語が出てきたらほぼ100%クロです。


今回はそんなネットワークビジネスに超情弱だった頃の僕がひっかかりかけた話。


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新卒で働き始めて3ヶ月。


僕は老後まで会社で働き続ける未来が見えずに、

無難に仕事をするという退屈な日常を過ごしていた。


「俺はこのまま一生社畜のまま終わるのかなあ・・・」


なんて夢も希望もない思考を抱き、

いつも通り仕事を終えて駅の改札へ向かおうとしたところ、


「お兄さんお腹すいてない?ラーメン食べに行かない?」


と嵐の二宮くん似の爽やか青年(以下、嵐)がフレンドリーに話しかけてきたのだ。



よりにもよってなんでボッチの俺に話しかけてきたんだと思った反面、


「東京にもこんなフレンドリーな人がいるんだな!」


と疑うことなく僕は嵐についていくことに。
(今思えば、ド田舎出身オーラが出ていて騙しやすいと判断したのだろう。)


僕は嵐とラーメンをすすりながら、出身地や大学の学部といったありがちな話を進めていった。


友達もおらず普段一人で過ごしていた僕の話を、嵐は終始笑顔で相槌を打ちながら聞いてくれた。


よほど嬉しかったのだろう。


すっかり警戒心の解けた僕は、一気に踏み込んだ話を自ら嵐にしていったのだ。


・これから先の人生、会社の給料だけで生きていけるか不安。

・いずれは脱サラしたいと思っている。

・でも具体的に何をしたらいいか分からない・・・


粗方語り合えた後の嵐の「しめた!」と言わんばかりの表情は今でも覚えている。
(当時は気づかなかったけど)


こうやって、会話の中で自然と見込み客(今回でいうと僕)のニーズを聞き出すことに嵐は成功していたのだ。


これまで話を一方的に聞いていた嵐は急に真面目な顔立ちになってこう言った。


「ずーみんのその悩みめっちゃ分かるよ!

俺も会社の仕事だけしていたとき同じこと思ってたしw」


「俺も同じようなことで悩んでたんだけど、それを解決できるようなビジネスを始めたんだよねえ。」


嵐が僕と同じ悩みを抱えていただけでなく、その悩みを解消しているビジネスをしていることに驚きを隠せなかった。


え?何それ興味ある!

と見事につられた僕は前のめりで嵐がしているビジネスの概要を聞いた。


そこで出てきたのがネットワークビジネスだった。


・実際に市場に出ている商品を紹介性で広めていく

・自分が勧誘した人が別の人に商品を売ることでマージンを得られる

・最終的に自分が働くことなく権利収入を得られる


などなど、ネットワークビジネスの魅力について語る嵐。


雇われでしかお金を稼いだことがなかった僕にとって、嵐の話は衝撃でとても魅力的に思えたのだ。
(めっちゃアホですよねw)


すっかり話に夢中になっている中、嵐は唐突に僕にこう言った。


「ずーみんそんなにビジネスに興味があるなら、

俺の師匠が今度セミナーするから一緒に行ってみない?」


これまでの話で価値観教育をされた僕が、そのオファーを断る道理はどこにもなかった。


僕は二つ返事で嵐の師匠が開催するセミナーに参加することにしたのだ。



※ ※ ※


時と場所は変わって渋谷のセンター街。

 

嵐と合流した僕はウキウキ気分でセミナー会場に向かった。

会場は超満席で200人はいただろうか。


ウェーイ系の連中がガヤガヤと騒いでる中、

師匠と呼ばれてる先生(以下、レイリー)が壇上にたった瞬間に、


「わあああああああああああああ!」


という人気バンドの歓声のような騒音が僕の耳を貫いた。
(正直、この時点でうぇーい系アレルギーの僕の気持ちが冷め始めていたのは秘密)



レイリーは川越シェフに負けず劣らずのドヤ顔をかましながら、


・ネットワークビジネスでめっちゃ儲かってるレイリー自身の話(フェラーリ乗って、ハワイに別荘もってずっとサーフィンしてるみたいな。)

・アムウェイの会社の紹介(世界中で展開しているなど規模感の話)

・アムウェイをすることによりどう権利収入を得られるかの説明

・これからの日本がどれだけ税金増えてオワコンになるのかの話


を語っていった。


レイリーの話を聞く人、皆、会社説明会を受ける就活生のように、


軽い地震が起こるほどの相槌をうったり、

絶対に見返してないであろう乱雑したメモをとったり、

心の底は絶対に笑っていない形だけの笑顔をふりまいたりと、


異様な光景がそこにあった。


正直言って気持ち悪かった。


むしろなんで皆、陽キャオーラ全開で話を聞いているのかが理解できなかった。


だって聞けば聞くほどツッコミどころだらけだったもん。


まず初期費用。


入会金に加えて商品も買わなくちゃいけなくてそれだけで20万は超える。


入会金はともかくなんで使わない商品を買わなあかんねんと。


「自己投資は大事だから!」


って言いたいのだろうけど、自分が権利収入を得たいがためのポジショントークじゃね?と。


資格の件で相当痛い目にあっていたので、僕はこの時点で警戒心丸出しだった。
※資格で痛い目をあった件の詳細はこちら。


そして何よりのツッコミどころが権利収入を得られるまでの仕組み。


「まずはあなたの身近な友人や家族に商品を紹介する」

「その友人や家族がさらに別の人に商品を紹介する」

「最終的にあなたは何もすることなく芋づる式に権利収入を得られるようになる!」


・・・


俺、友達いないんだけど?


っていう大前提は置いておいて。


結局これってピラミッドの上の人が搾取する構造になってるなと。


下の人が商品の紹介をし続けること前提のビジネス。

一人でも離れてしまえば、それだけで得られる権利収入は減っていく。


紹介する商品も鍋や空気清浄機といった、一度買ったら数年単位で使い続けるものが大半。


下についていた人も半年経たないうちに離れていって、また新しい搾取元を探し続けていくビジネスモデルなわけだ。


そもそも権利収入とか言ってるけど、勧誘してる時点で労働時間ゼロじゃ無いじゃん!


なんで駅前で嵐が僕を誘ってきたのかようやく悟ることができた。


結局は嵐も権利収入を得たいがために、俺を誘って搾取するためだったのだと。

そう考えると途端に悲しくなってきた。


セミナーが終わったあと、嵐にはとりあえずの社交辞令に加えて「あとで契約するね〜」と言っておいたが、家に帰って速攻でブロックして連絡を絶った。


あれ以来嵐とは会っていないし、なにをしているのかも分からない。


少なくともレイリーがドヤ顔で語っていた、ハワイでのノマドライフは果たしていないとだけは断言できる。


調べてみたら5年間勧誘を続けて、月1000円の利益という人もいるみたい。


大人しくバイトしたほうがマシじゃんw


って話です。


もし僕が陽キャで簡単に人の話を信じる人間だったら、迷わずネットワークビジネスをやろうとしていたと思います。


そして確実に地獄に堕ちていたでしょう笑


このときばかりは友達がいない陰キャで本当に良かったと思う。


それから時が経って、アムウェイも違法な勧誘が明るみになって、取引停止命令が出たようだし。


人間関係にモロ傷入るし、世間体も悪いしで、つくづくネットワークビジネスは百害あって一利なしだなと。


その点ネットビジネスは全てがインターネット上で完結するのだから本当に気楽。


友達ゼロで人脈も資金もない僕でも、始めて半年足らずで月50万稼げるようになったし。


権利収入なんて甘い言葉に踊らされて、今もなお勧誘なんていう労働ゲーに陥っている人を見ると悲しくなってくる。


今自分のしている行動が、将来的なレバレッジの効くことなのか問いかけてみて欲しいな。


と、カフェでネットワークビジネスの勧誘らしき言葉が聞こえるのを横目でみながら、今回の記事を書いてる今日この頃です。

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