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空っぽの実家をどうするか

この先両親が自宅に帰ることはないので、世に言う「実家の片付け」をしなくてはならない。まあ大がかりな話はさておき、母は1月中旬に急遽小規模多機能施設に入所することになったので、冷蔵庫の中も保存食もそのままだ。
物理的なタイムリミットが迫っているものをどうにかする必要がある。
前回の日帰り帰省で手をつけないまま戻ってしまったので、今回こそは始末をつけなければ。

1人ではやる気が出なくても、今回は片付けが得意な次女が一緒だ。
孫たちが広い家の中を走り回っている間に、冷蔵庫と食品ストック庫を整理することにした。
買ってきたゴミ袋を広げ、スマホで自治体の「ゴミの分別のしかた」のページを開き、どんどん捨てていく。

それにしても分別が細かくてつらかった。あとから知ったんだけど実家のある自治体は過去に9年連続で「ゴミの排出量が少ない自治体」の一位を走っていたそうで、現状は二位とのこと。
その地位を維持するために、住民は毎日こんな細かいルールを守ることを強いられているのかと思うと、本当にそれがいいのかどうか疑問だ。
住まないからいいけど。

それに認知機能が衰えた高齢者には難しかろう。実際のところ実家でも分別とゴミ出しは父の仕事で、燃えるものは畑で燃やしたり生ゴミは埋めたりしていたようだ。
母は自分がやっていなかったこともあるが、あまりにも分別もゴミ出しも複雑で、何度も何度もゴミ置き場と「ゴミ出しカレンダー」が貼られた台所を往復していた。結局生ゴミ以外はわからなくなってしまったようで、紙やプラごみの袋は裏庭に積み上げられていた。

幸い滞在中にプラごみの日があったが、1家庭が1回にゴミ置き場に出せるのは3袋まで。規定上限の45Lのゴミ袋にぎゅうぎゅうに詰めてなんとか3袋に収めた。
生ゴミや可燃ゴミは、挨拶に行ったご近所のMさんが「わかるところに置いといてくれたら一緒に出すよ!」と言ってくれたけど、なんだかんだで8袋になってしまった。
いくらなんでも甘えられないと思い、車で20分ほどのクリーンセンターへ直接持ち込み。

「奥さん、ちゃんと分別ができてない袋があるけど、これ本当やったら受付れんのよ。」と係のおじさんに注意される。
おっしゃることはごもっともですはい、親が倒れちゃって片付けに来て分別表見ながらやったんですけどいやあ難しいですね、とかなんとかひたすら頭を下げていたら、「わ」ナンバーのレンタカーが目に入ったのか「今回はええけど次また捨てるときはちゃんとしてくださいね。」と見逃してもらった。

次のことを考えると気が重くなってしまったけれど、考えてみれば台所周り以外はそんなに難しくないかもしれない。例えば紙類であったり、衣類、食器など判断に迷わなくてよさそうだと思い直し、ちょっと元気が出る。

自分の体力気力があるうちに少しずつ片付けよう。
そして私は子どもたちにヘンなものを残さないように暮らす習慣をつけよう。
母は毎日の掃除は病的に徹底していたので、古い家の割にはきれいなのがまだ救いだ。
押し入れにはいらないものがキレイにきっちり詰め込まれているけれど。

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