塩の話あれこれ 1
こんにちは、久々の投稿失礼します。
塩についてのお話です。
私個人としては、塩や醤油、味噌に関しては良いものを積極的に摂ろうと何年も気を使ってますが、世間ではもう何十年も健康のために「減塩」が叫ばれ、塩はあたかも悪者のように扱われてしまっている現状があります。
「高血圧やその他生活習慣病等の原因は塩の摂りすぎからきている」という説が多くの人の認識となっておりますが、
その説は前から疑問視されていて、さらにそれを覆す研究結果(インターソルト研究)がすでに発表されているのに、何故か日本では未だ「減塩信仰」が根強い。
(インターソルト研究について)
「減塩」が叫ばれ出したのはここ数十年の話ですが、これは戦後占領統治されていた1954年アメリカ軍のダール博士が、日本人に高血圧症の人が多いことから東北や南日本を対象に塩の摂取量と高血圧の相関性を調べたところ、東北の人が血圧が高く塩分の摂取量が多いことから「高血圧の原因は塩分のとり過ぎである」と結論付けたことから始まるそうです。(書籍によっては1960年と書いているのもありました。)
また1953年アメリカのメーネリー博士の発表した論文で(1972年と書いている本や記事もあります)
「10匹のネズミに、1日20〜30gの塩を6ヶ月間食べさせた所、うち4匹が高血圧になった!」
というのがあります。
これは人間に当てはめると毎日約500gの塩を食べ続けたに等しいということらしいです。病気になって当然というほどの塩分量なので信用するに当たらないと思うのですが、この論文も「塩分悪玉説」に拍車をかけたというのです。(言い替えれば、他の6匹はそれだけの塩を与え続けられても高血圧にならなかったということなので、「塩分悪玉説」にはならなあとは思うのですが。。)
とにかく、この研究結果では塩が高血圧につながるのかどうか判断するのは難しい。
しかし、塩分過多で血圧が上がりやすい人は、100人に2、3人ほど、そういう「塩感受性」が高い人はいるそうです。そのような「塩感受性の高い人」には「減塩」は必要なのかもしれません。これは先に上げたインターソルト研究にもあります。
東北地方の人が血圧が高いのは、極寒の地域なので血圧は体温を上げるために自然と高くなるものなので仕方ありません。体温を上げるために塩分を積極的に摂らなければ、厳しい冬を乗り越えることができなかったといわれております。
塩関係の本を読んでいると、上記の研究は、どうやら「塩分悪玉説」に導くためにあらかじめ準備された研究だったというふうに書いている人を多く見ます。
塩を奪うことで、「日本人の力を削ぐことが目的だった!」というような「陰謀説」ぽい言説が塩業界(!?)ではよく聞かれますが、私も、はじめはそのような「陰謀説」から塩に関して興味をもったものです。
しかし、陰謀があるにしろ無いにしろ、塩を抜かれた人間は力がでませんし、頭も働かないのは簡単な生理学や栄養学、元素の知識があれば明らかです。
元素の本には塩の主成分であるNaナトリウムの欠乏症として「無気力」とあります。
また昔読んだ「項羽と劉邦」だったか「三国志」だったかの逸話に、極悪人の囚人の食事の塩分を徐々に抜き、その囚人をおとなしくさせる話がありました。
日本人を大人しくさせるために、「減塩信仰」を植え付けた!?とは陰謀業界でありがちなヒステリックな被害妄想かもしれませんが、無気力で元気のない日本人が多くなったのは、過剰な減塩がもしかしたら原因なのかもしれない、という考察することは許されるのではないかと思ったりしております。
また、体温の低下も極端な減塩が原因の一端だと考えられないこともないです。
WHO(世界保健機関)が推奨する一日の塩分摂取量は5gですが、肉をよく食べる国の人たちと、穀物や野菜をよく食べる国の人たちでは必要な塩分量は違います。
肉はそのまま食べても塩辛さをあまり感じませんが、それなりのナトリウムを含んでいます。
なので、肉を多食する人には減塩が必要かもそれませんが、
穀物や野菜を多く摂る農耕民族は、多くの塩分を必要とします。野菜に多く含まれるカリウムはナトリウムを排泄してしまうからです。
WHO ともあろう天下の国連機関が、それを一緒くたにして塩分摂取量を5%未満を推奨するというのもおかしな話です。あれだけエリートが集まっているのなら知識が無いわけではないでしょうに。
野菜に塩をかけて食べたのが「サラダ(ラテン語Salは塩を意味する)」の語源だといいますが、塩分抜きでサラダなんか食べてられません。身体が冷えます。
また、牛などの草食動物は塩分が必要なので塩湖や岩塩に集まるといいます。
アメリカ開拓時代では、動物が絶えず舐めていた塩舐め場に村が作られることが多かったといい、
「エリー湖付近の塩舐め場にはバッファローがつけた広い道があり、そこに築かれた町はバッファローと名付けられた」と「塩の世界史」(マーク・カランスキー著)には書かれております。
しかし塩分は摂るべきとはいえ、今日本で流通している塩の多くは塩化ナトリウム以外のミネラルを殆ど含まない「精製塩」で、実はこの精製塩が食用として流通するようになってから花粉症やアトピーを患う人が増えたともいわれております。(「ニンジンから宇宙へ」赤峰勝人著) もしかしたら「減塩」しなければいけないのはこの精製塩かもしれません。
続く
※参考文献
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