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僕らの農場の名前どうしよう〜第二章

キッチンの壁には小さなホワイトボードがかけてある。そこには小さな文字がびっしり。汚い文字が僕で、読みやすい字が幸枝さんだ。

小さなホワイトボードには、いま二人が抱えているTO DO、家にある食材で作れる料理、今度スーパーに行ったときに買うものといった生活に関することが半分。もう半分に僕らのこれからやってみたいことや、農場の名前、会社の名前、コンセプトなどが書かれる。

それぞれが思いついたことを思いついた時に書くので、ふと見ると新しいフレーズを見つける。

そこに興味をひかれる文字が

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『サイコー オホーツク ビホロ ファーム』

おうおう、幸枝さん、ちょっと冗談みたいな名前を考えたなぁ。ご飯を食べながら小さく書かれたその文字を見つめる。

見ているうちに、「サイコー」に掛けられた意味に気づく。幸枝さんは以前から農業、野菜づくりを通じて、地域を盛り上げるという意味で「菜興」というのを考えていた。地域再興ならぬ地域菜興だ。ああ、そういう意味があるならちょっと冗談っぽいサイコーファームも悪くないかもなぁ。

さらに、ぼんやりと文字を見つめる、才能を興すという意味で「才興」ともかけられるから教育に取り組みたいという考えにも合うなぁ。もちろん最高の野菜を提供することを目指すわけだし、オホーツクやビホロが最高だと謳うこともできる。

なんだか悪くないんじゃない?サイコーファーム。

「サイコー オホーツク ビホロ ファーム、なかなか面白いね。良いかもしれないね」
「でしょ。菜興とかかってるし、オホーツクサイコーとも言ってるの」
「教育やるときには才興でいけるしね」
「あぁ確かに。いいの思いついたでしょ」
「うん、良いかも。いまのところ第一候補だね」

こんな感じで夫婦で盛り上がる。良いねと言われた幸枝さんは満足げ。こうして僕らの農園の名前の第一候補にサイコーファームが名乗りをあげた。

いま、日記を書きながらもう一度字面を見てみると、たしかに良いなとも思うし、ちょっとインパクトが有りすぎるかなとも思う。自分でサイコーと謳っちゃうのも中々度胸がいるよなぁ。でも覚えやすいだろうしなぁ。

ちなみに、これまでにはこんなのを考えていた


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