大好きなママに抱っこされても全く泣き止まない、5カ月の赤ちゃんなりの重大な事情
昨日、ぼくら家族はスピカを除く全員で阿寒テラスのオープニングパーティーに参加してきました。素敵なパーティー、最高の施設を楽しむのと並行して、櫂が生まれて以来、1,2を争う大事件が起きていたのです。
事件の勃発は、昨日の昼間で遡ります。15時からスタートするパーティーに合わせて、つむぎを幼稚園から早めにピックアップ。この時点ですでに始まっていました。
幼稚園からつむぎを連れて、幸枝さんと櫂を待たせていた車に戻ると、櫂が大泣きしていたのです。車が止まっているのが嫌なのかな?と思い、急いで阿寒湖に向けて出発。約1時間の道のりです。
車をしばらく走らせ津別の町に。普段であれば幸枝さんが抱っこすればすぐに泣き止む櫂。今回ばかりは様子が違い、全く泣き止みません。泣く櫂も黙る、ママのおっぱいを繰り出しても、ほとんど吸わずに泣き続けます。
「どうしたのかね?」
ぼくと幸枝さんは、少し心配になりながらも、こんなこともあるのかな?と車を進めます。助手席のつむぎは津別を過ぎた辺りから眠りに着きました。
その後も櫂は全く泣き止むことなく阿寒湖の阿寒テラスに到着。櫂を抱っこし急いで部屋に連れていく幸枝さん。部屋の中で抱っこしてみたり、笑いかけてみたり、おっぱいを飲ませてみたり。
泣き止みません。
櫂は日頃、理由もなく泣いたりすることはほとんどなく、ましてや幸枝さんに抱っこされていれば、それだけでいつもニコニコしている子です。さすがに心配になってくるぼくら。とはいえ、せっかく呼んでもらっているのでパーティーにはぼくと幸枝さんが交互に顔を出すことに。
本当に泣き止まない櫂。どうしてしまったんだろう・・・。
幸枝さんがおかしなことを言い出します。
「なんだか、私のことをママと認識していない気がするんだよね」
「え、そんなことある?」
たしかに今日は幸枝さんが抱っこするより、ぼくが抱っこするほうが落ち着く気がしました。普段は最新型のトラクターと錆びた鍬ぐらい格が違うのに、今日ばかりは錆びた鍬の方が気に入っているような。
昼からおっぱいを飲んでいない櫂。きっとお腹をすかせているはず。幸枝さんだけではどうにもうまく行かず、ぼくらは協力プレーで授乳を試みます。ぼくが抱っこして落ち着かせたまま、櫂の頭を近づけてみて・・・。一瞬パクっとしたあとで、口を離してまた泣き出しました。
そのときぼくは見たのです。泣く前にちらっと幸枝さんの顔を見たのを!
「もしかしたら、化粧を落としてみたらいいんじゃない?」
今日の幸枝さんはパーティー仕様のメイク、いつもとちょっと違う雰囲気があります。
「うーん、じゃあシャワー浴びてくるわ」
半信半疑ながらも、あらゆる可能性を試してみる幸枝さん。
シャワーから出てくるまで、櫂を抱っこしながら部屋の中をぐるぐる回るぼく。本当に櫂はどうしてしまったんだろう。
しばらくして、シャワーから出てきた幸枝さん。その姿を見つめる櫂。
にっこり。
泣き止んだ!その後、お腹をすかせていた櫂は幸枝さんに抱かれて、おっぱいを飲み始めました。次第にいつものニコニコ櫂に。
どうやら、櫂はしっかりとメイクをした幸枝さんのことを本当にママと認識していなかったようです。普段と違うのはマスカラ。まつげが少し長くなったママの目を、大好きなママの目ではない、と櫂は思っていたのかもしれません。
なので、泣いていた理由は、大好きなママがいない上に、知らないところに連れてこられたからだったようです。こんなことがあるとは!
実は、これに似た現象に関する研究をぼくらは知っていました。
「母親と他人の狭間ー赤ちゃんが示す「不気味の谷」現象を発見ー」
2012年に東大の先生が中心に発表した研究です。生後半年以降の赤ちゃんは母親と他人を区別した上で、両者を好んで見ることが知られていたそうです。そんな中、この研究が明らかにしたのは、赤ちゃんは母親と他人の顔をミックスした「半分お母さん」の顔を見たがらないということでした。
これは、赤ちゃんは、お母さんに似た顔に「不気味」に感じることが示唆していました。
今回の櫂、まさにそれです!
「ママに似た顔の人」である、「マスカラをしたママ」は櫂にとっては怖かったのかもしれません。よくわからない怖い人のおっぱいだから飲まなかったのね。本当に、こういう事があるとは。
こうして、櫂に起きた大事件は無事に解決を見ました。
ニコニコ顔のいつもの櫂に戻ってくれて、心底ホッとしたぼくと幸枝さん。
幸枝さんは、「でも、そんなに違ったかなぁ?」とぼやくのでした。
もうマスカラは使わないそうです。
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