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実は色々あるアスパラ品種、何を植えるのがいいのか調べてみた

アスパラガス、スーパーではただのアスパラガスとして売られているので、あまり知られていないと思うが、実はいくつかの品種がある。僕らは今年ビニールハウスに苗を植える計画なので、どの品種がいいのかちょっと調べてみることにした。


※このリサーチ後、2021年の6月に実際に選定したアスパラガスを準備しました

※さらに、定植から3年後の2024年4月、初めて収穫を開始、その結果分かったこともまとめました!良ければ合わせてご覧くださいませ


まず、読んでみたのはこれまでにもらった二冊のテキスト。ただ、ここには栽培法については詳しく書かれているものの、品種差についてはあまり触れられていなかった。続いてネットで検索してみることに。

検索ワードは「アスパラガス ハウス 品種特性」。いくつか参考になりそうな資料が出てきた。
1,グリーンアスパラガスのハウス立茎栽培における若年株立茎本数と品種特性(北海道立農試集報2006)
https://www.hro.or.jp/list/agricultural/center/kankoubutsu/syuhou/90/90-8.pdf

2,あぐりぽーと(ホクレン営農技術情報誌 2015 NO116)
https://www.hokuren.or.jp/common/dat/agrpdf/2015_0903/1441244489287295966.pdf

3,アスパラガスハウス栽培における定植2〜3年目の品種比較(東京農林水産振興財団サイト内)
https://www.tokyo-aff.or.jp/uploaded/attachment/6647.pdf

4,グリーンアスパラガスのハウス栽培における新植後5年間の収量の推移と今後の課題(京大農場報告 2009)
https://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/2010782434.pdf

1つ目の資料が一番参考になりそうだった。アスパラガスにはオランダ系品種(ガインリム、ヴェンリム、バックリム)とアメリカ系品種(ウェルカム、スーパーウェルカム、バイトル、グリーンタワー、シャワー)があり、ハウス内で栽培する場合、アメリカ系品種のほうが多収だったらしい。さらに、アスパラの品質において重要な頭部のしまりもアメリカ系品種のほうが良かったようだ。品種ごとに見てみるとバイトル、シャワー、グリーンタワーの順で収量が高い。シャワーは標準誤差が少し高めだったので、ブレが大きい品種なのかも知れない。収量こそ多くはなかったがスーパーウェルカムが一本あたりの重量が最大となっている。アメリカ系のほうが多収になる一方で、斑点病に対してはオランダ系のほうが強いらしい。

2つ目の資料からは北海道のアスパラガスの全体像がちょっと見える。北海道での主産地は上川地方、道外への出荷はH25の時点で270トン、国内の競合産地は福島、長野、佐賀。海外に目を向けるとH25の輸入量は11000トン、メキシコからが5100トンと最大で、オーストラリア、アメリカ、タイと続く。道外出荷量に比べて輸入量が40倍もあることに驚いた。この資料でもオランダ系のほうが斑点病への耐性や耐倒伏性が高いと記載されていた。やっぱりオランダ系のほうが強い品種のようだ。

3つ目の資料は東京での実験結果。使われているのはバイトル、シャワー、グリーンタワー、ウェルカムの四品種。収穫本数はバイトル、シャワー、グリーンタワー、ウェルカムの順で多く、一本重ではウェルカムが最大で、グリーンタワー、シャワー、バイトルと続いている。この資料での結論は、収量ではシャワー、安定性を加味するとバイトルもいいとなっている。

4つ目の資料ではバイトル、ウェルカム、スーパーウェルカムの三品種が調べられている。5年間継続して調べた結果。バイトルは早い時点から高い収量をほこり、サイズは2Lを中心として3LからLが主体。スーパーウェルカムはサイズが3L、2Lが主体で収量も良い。ウェルカムはバイトルと似たようなサイズだが、収量はバイトルよりも劣った。この資料からもバイトルが良さそうだ

検索してみた結果では、上記4つ以外に良さそうな資料がすぐには見つからなかった。今回読んだものを総合すると、収量を考えるとバイトルとシャワーが良さそうだ。そして、大きなものを作りたいならスーパーウェルカムも候補に上がる。

これをもとに周りの人にも相談してみようと思っている。でも資料の感じではバイトルがいいのかなぁ。ただ、太いサイズがとれそうなスーパーウェルカムも気になるなぁ。


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