ブラックフライデーセールで失ったもの
今日はブラックフライデーセール。とにかく安いらしい。長男つむぎがご飯を食べるためにリビングの隣のダイニングに移ったすきに、ソワソワしながらがスマートフォンでアマゾンを開く。
「ふむふむ、このバナーをクリックすればいいのか」
ページ上部のBLACK FRIDAYのバナーをじっくりと眺める。
「おお、もうすぐ終了のセールがあるじゃないか」
やばいやばい、バナーをクリック。
セール終了間近のラインナップが表示される。
「ほほう、ブルートゥースのイヤホンに、低反発枕、スマートウォッチもあるなぁ・・・」
親指で下へ下へとスクロールしていく。どこまでも下へ下へと。
「・・・、うん別に欲しい物ないな。ていうかそもそも欲しい物は特に無いなぁ」
「よし、となれば息子へのプレゼントを買うのがいいだろう、うん、それがいい」
ホビー・おもちゃのカテゴリをクリックする。
「ほうほう、この恐竜のおもちゃは良さそうだな、おぉ、レゴもあるじゃないか!」
「まぁ、でも欲しがりそうなものは無いなぁ・・・」
その後もあれこれとクリックしてはスクロール。スクロールしてはクリック。
「ご飯どうぞー!」
「だでぃ、ご飯だよ」
ぼくのご飯の準備もできたようだ。
「ふぅ・・・」
ぼくは、何も買わずにリビングの机にそっとスマホを置く。
結局のところ、ぼくのブラックフライデーセールは、なにより貴重なひとり時間を失うだけに終わったのだった。
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