アイデアを口に出すこと
メンチカツを食べながら、夫が「こういう凝ったのは作れないからお惣菜を買うしかないもんね」と言った。
その言葉に頷きかけたけど、よく考えたら「作れない」わけではない。正確にいえば「作らない」。
だけど、どうしてか心情的には「作れない」のほうがぴったりくる。その理由を考えてみて、「今の私たちは、手間のかかる料理を作る時間と気力を捻出できないんだな」と思い至った。
「たしかに、今の日常の中ではちょっと無理だけどさ。休みの日に『今日は凝った料理をする日にしよう!』って決めて作ったら楽しそうじゃない?」
私はそう提案すると、夫は即座に「そういう日はゲストを呼びたいね」と言った。
それを聞いて、嬉しくなる。私もゲストを招くのは好き。
「いいねぇ、呼ぼう呼ぼう」
私が言うと、夫は「ゲストにも料理を手伝わせちゃおう!」と言う。
「いいねいいね! 昼からみんなで集まって、時間たっぷりかけて作ろう」
「お酒飲みながら作っちゃう?」
「いいねぇ。凝った料理をする日だからさ、その日は『コルヒ』って名前にしようよ。ローマ字で『coluhi』ってどう?」
「いいね。そうしよう」
「今の仕事が落ち着いたらだね。誰呼ぼうか?」
そんな話をしながら、ふたりで盛り上がった。
◇
こんなふうに、ちょっとした会話の中からアイデアが生まれ、妄想がふくらむことはよくある。
私ひとりの脳内でアイデアが芽生えて成長することもあるけど、誰かとアイデアを共有しているときのほうがずっと、話がトントン進む。
そういえば、先日もTwitterで嘉晶さんとお話していて、「確定申告合宿したいですね」という話になった。言い出したのは私だけど、嘉晶さんが乗り気になってくれたことで、どんどんとイメージが具体的になっていく。
昨日も、noteに「note誕生日を祝いたい」と書いた。
これも、書いたらサカエコウ。さんに「祝いたいです!」と言っていただけた。
◇
こうやって誰かを巻き込むと、「じゃあいつにする?」「どこでやる?」と、話がどんどん具体的に決まっていくことがある。
そういえば昔、占い師の友人に
「サキちゃんはすぐに思い付きを口に出すし、周りの人を巻き込むでしょう? 言えば言うほど、自分も周りもその気になるし、イメージも固まってく。だから叶うんだよ」
と言われたことがあるけど、それはこういうことなんだろうな、と思う。
すぐに思い付きを口に出す癖は子どもの頃からで、親にはよく「ちゃんと考えてからものを言いなさい」と注意された。だから、私の軽率さや衝動性は良くないものだと思っていた。
けれど、この性質が楽しい企画をいっぱい連れてきてくれるなら、私にとっては万々歳。
coluhiも、確定申告合宿も、note誕生日も、楽しみだな。
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