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嫉妬を分解する方法

「嫉妬」と「羨望」は私の中ではちょっと違う。

他人に対して「いいなぁ」と羨ましく思う気持ちは、羨望。

「いいなぁ」の後ろに「くそ、ムカつく!」「それに比べて私は……」などがくっつくと、嫉妬だ。

感覚的な話になるけど、うじうじ・モヤモヤ・イライラなどの不快な気分になれば嫉妬。ならなければ羨望だと思う。

つまり、羨望はそれ単品であればネガティブなものではない。オプションで「相手への憎しみ」や「自分を卑下する気持ち」をつけてしまうと嫉妬となり、ネガティブなものになる。

だから、嫉妬を感じて苦しくなったときは、一度それを分解してみるといい。


SNSを見ていて、一瞬、嫉妬でモヤっとすることがある。

そういうときはスクロールをやめる。立ち止まるイメージだ。

そこでスクロールを続けてほかの投稿を見てしまうと、自分の嫉妬を見過ごしてしまう。見過ごした嫉妬はほこりのように心につもっていくから、その都度ちゃんと、掃除したほうがいい。

立ち止まったらまず、その投稿をよく見る。そして、自分に問いかける。

私は、この人の何が羨ましいんだろう?

肉眼で見ていたものを顕微鏡で見るように、漠然とした「いいなぁ」を細かく観察する。そして、「私はこの人の○○が羨ましいんだ」とはっきり言語化して自覚する。

次に、「君の名は。」みたいにその人と入れ替わったとしたら……と想像する。

ちょっと何言ってるかわからない人もいるだろう。

たとえば私の場合、売れているライターさんの活躍ぶりが羨ましかったら「体が入れ替わって、一週間この人として過ごさなきゃいけなくなった自分」をリアルに想像してみる。

キラキラした幸せそうなところだけじゃなく、地味なところも大変なところも、なるべく詳細に思い描く。

〆切に追われて徹夜しているところ、家事をしているところ、請求書を作っているところ……。

すると、私が羨ましい人はだいたい忙しくしているので、「すごいなぁ、私には無理だなぁ」と思う。

この時点で、だいたいの嫉妬心は消える。

せっかく嫉妬をここまで分解したのだから、あと一歩プラスに転換させたい。

どうするかというと、「じゃあ、あの人と入れ替わっても大丈夫な自分になるにはどうしたらいい?」と考えるのだ。

嫉妬の対象と自分を比較し、自分に足りないスキルを洗い出し、改善策を考える。

はっきり言って、改善策なんてすんなりと見つかるもんじゃない。何日も何日も考え続ける。

このテーマで何日も考え続けたら、確実に思考力が鍛えられる。考える過程でほかにたくさんのことに気づくし、note5本分のネタは拾える。そうなるともう、最初の嫉妬心なんてどうでもよくなっている。

相手に向けていた視線を、自分の奥深いところに移動させるのだ。


だけど、羨ましいポイントが才能や美貌、家柄などの「生まれ持った要素」であるときは、自分に足りない要素が明確になっても、どうにもできなかったりする。

そんなときは「私は生まれつき○○なんだからしょうがない。でも、生まれつき不利なわりには頑張ってるじゃん、私えらい」という自分褒めに転化すれば、自己肯定感が高まる。


誤解されたくないのは、私は一度も「嫉妬をしちゃいけない」と書いたことはない。

ただ、私は嫉妬すると自分自身がしんどくなるなら、なるべくしたくないのだ。あと、嫉妬することで第三者から「うわー、あの人嫉妬してるよ~」と思われて株を下げるのも嫌。

だから、嫉妬はなるべく分解するようにしている。

自分を生きやすくするために。



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