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“noteの女王”作家・岸田奈美さんが、会話の「ツッコミ」に必要な覚悟を語ってくれた

「わたし、コミュ障だから呼ばれたんですか?」

こんにちは。ニッポン放送・吉田ルーム所属の田中嘉人です。

2020年8月22日発売の吉田アナ新刊「元コミュ障アナウンサーが考案した 会話がしんどい人のための話し方・聞き方の教科書」。出版を記念し、吉田アナが全く別分野で活躍するコミュニケーションのプロと対談する企画の第二弾です。

今回お招きしたのは、クリエイタープラットフォーム『note』を中心に活躍中の岸田奈美さん。ご家族のことやご自身の身の回りで起きたことを赤裸々に、まるで岸田さんがおしゃべりしているかのように書き下ろした作品が人気の作家です。そして、2020年9月23日には初の著書「家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった」(小学館)を出版予定。

多くのファンの心を掴む文章を書く岸田さんに、吉田流の会話術について話を聞いてみよう……と、思ったら開口一番岸田さんから発せられたのは、冒頭の言葉でした。

いきなりのピリッとした空気感。……この対談、一体どうなるのでしょうか?

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わたし、コミュ障だから呼ばれたんですか?

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吉田:
え?

岸田さん:
……だから、わたしコミュ障として呼ばれたんですよね?

吉田:
ど、どういうことですか?

岸田さん:
わたし、すごく嬉しかったんですよ。前から存じ上げていた吉田さんから「対談したい」と声をかけてもらえて。

だから、いまエージェント契約を結んでいるコルクのSlackにめちゃめちゃ興奮気味にポストしたんです。「吉田さんからオファーがきた!絶対に行きたいのでスケジュール調整してくださいっ!」って。コルクのみんなも「よかったですね〜!」と喜んでくれて。

ところが、今朝ですよ。コルクの代表・佐渡島庸平さんと会議していたら、吉田さんとの対談のことが話題になって。「岸田さん、すごく喜んでいたね」と。「じつは美容院にも行って、眉毛もケアしてきたんです〜」とウキウキで話したら、佐渡島さんが「じつは俺も呼ばれててさ」と。

吉田:
あ〜(笑)。佐渡島さんにも対談をお願いしました。

岸田さん:
「岸田さん、自分だけ選ばれたみたいな感じで喜んでるから、俺言いづらくてさ。ごめんね」と言われて……もう完全に笑い者ですよ……!どうせ、600人ぐらい候補がいるうちのひとりなんですよね?

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吉田:
違います、違います(笑)。

岸田さん:
……う〜ん。

吉田:
信用してない!

noteという新しいプラットフォームにおいて、岸田さんが一番おもしろいクリエイターのひとりと言っても過言ではないじゃないですか。実際、文章もめちゃめちゃおもしろいし、「ぜひこの方にぼくの会話術について意見を聞きたい」と思ってお声がけしました。

岸田さん:
……本当ですか?

吉田:
本当ですよ! ほぼ決め打ちだったんですから!

岸田さん:
……ありがとうございます。

吉田:
特にすごいと思ったのが、ぼくがラジオパーソナリティーとしてできないことが、全部できてる点です。それもナチュラルに。

岸田さん:
えっ?

吉田:
ぼく、ひとの話を聞くことはできるんですが、自分の身の回りのことをおもしろおかしく話すことってあまり得意じゃないんですよ。部屋にスズメバチが飛び込んできただけの話をここまで描写できるなんて、伊集院光さんと同じ才能です。

岸田さん:
めちゃめちゃ嬉しいです……!でも、吉田さんの本を読んで、改めて気づかされてしまったんですよ。

吉田:
え?

岸田さん:
自分はコミュ障だ、と。

「noteの女王」と呼ばれて

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吉田:
コミュ障ですか? こうやって話しているぶんには感じませんけどね……。

岸田さん:
めっちゃ頑張ってますから。でも、本当は目を合わせることも見られることも怖いんです。「“歯に青のりついてる”って思われたらどうしよう」といった不安で全然集中できない。この本のなかでも紹介されていましたが、ひとの顔を覚えるのも苦手なので、会社員時代に同じひとと3〜4回名刺交換して、上司から怒られたこともあります。

吉田:
とりあえず、歯に青のりはついてないので安心してください。

岸田さん:
ここからはわたしの偏見ですが、ネットで文章がおもしろいひとは全員コミュ障ですね。

吉田:
……一旦お聞きしましょう。

岸田さん:
現実世界で話を聞いてくれるひとがいないから、noteにぶちまけてるんですよ。

吉田:
偏見がとまらないですね。

岸田さん:
少なくともわたしがそうだからです。ネットで文章を書き始めた原点は、小学校時代。7歳の頃にお父さんに買ってもらったiMacがきっかけで、2ちゃんねるやチャットに傾倒していきました。「ワロタ」や「オマエモナー」の時代です。

わたしのレスにワロタがたくさんつくと、自信になる。ところが、意気揚々と学校へ行っても、わたしの話は全然通用しないんです。それどころか、おもしろいと思ったことを語れば語るほど、「また岸田がなんか言ってるよ」「はい、嘘松、嘘松」と後ろ指刺されて誰も聞いてくれないし、ひとはいなくなっていく。結構辛い時代でしたね。

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大学進学後「周りから“おもしろい”って言われるひとはどういうひとなんだろう」とキャンパスを観察したんですよ。すると、ほぼ「ウェーイ!」しか言ってない、ノンバーバルコミュニケーションなんですよね。自分がおもしろいと思っていることが伝わらない世界は、居心地がよくなくて。

学校、会社とフラストレーションを持ち続けて、2019年にようやくわたしの話を聞いてくれる、聞き上手な人たちが現れました。それが、noteだったんです。

吉田:
noteを始めたことで、聞き上手と出会えたんですね。

岸田さん:
noteというプラットフォームそのものが聞き上手なんです。noteはコメントつけてリツイートしてくれるUIやシステムが優れている。だから、「知らなかった!」「これウケる!」という感想ツイートがすごくしやすいんですよね、

そして感想ツイートって、吉田さんの本のなかで紹介されている会話における相槌の「え!?」と一緒なんですよ。わたしの文章がたくさんの方に読んでもらえたのは、わたしが話し上手なわけではなく、聞き上手なTwitterのフォロワーのおかげ。この本を読んで、自分のコミュ障ぶりを気づかされたし、打ちのめされました(笑)。

吉田:
いやいや、でも岸田さんとフォロワーの関係って、ラジオにおけるパーソナリティーと放送作家の関係と同じですよ。ビートたけしにおける高田文夫がたくさんいる状態ですね。

岸田さん:
確かにnoteだと永遠にしゃべり続けられるんですよね……そういえば逆にひとの話を聞くことがすごく下手になってきています。

吉田:
それはなぜ?

岸田さん:
誤解を恐れずにいうと、noteの女王になってしまったから……かもしれません。たぶん令和の時代にnoteで一番成功した女なんですよ、わたし。

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吉田:
確かに。岸田王朝ですね(笑)。

岸田さん:
王だから、下々の民の気持ちが全然わからなくて……(笑)。

というのは冗談ですが、もっと対話していきたいんですよね。ありがたいことに、いままでは何を書いても喜んでもらえたから、会食や取材でもついひとりでずーっとしゃべってしまうんです。王朝で言うと、圧政を強いている状態ですね。このままだと、いずれ民の一揆が起きかねない。そうならないためにも、対話できるようになりたいと思っています。

……あ、言ってるそばから恐縮なんですが、ひとつ思い出しちゃった話があるんで聞いてもらえますか?

吉田:
ぜひぜひ(笑)。

「ヤンキースのリベラ」から「作家」へ

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岸田さん;
大学生から社会人になるにかけて、一番長くお付き合いしていた男性がいたんです。わたしはそのひとのことがすごく好きで、彼も「奈美ちゃんは本当におもしろいね」と声をかけてくれていた。わたしはいつも彼を笑わせることばかり考えていました。いつも「今日何かおもしろいことないかな」と目を光らせて。

吉田:
ラジオパーソナリティー病ですね(笑)。

岸田さん:
何も起きなければ、ネットで豆知識を仕入れて。

吉田:
「知ってる?24時。」時代の上田晋也さんも同じことを言ってました。

岸田さん:
頼まれてもいないのに、しゃべり続けている。彼は優しくてずっと「うん、うん」と聞いてくれていたんですが、3年経ったある日言われたんです。

「俺は彼女とキャッチボールみたいな会話をしたかった」と。

「奈美としゃべっていると時速150km/hのカットボールを捕球させられている気分だ」「奈美の話についていけない自分がすごく情けなく思えるし、辛い。もう疲れた」と言われて、結局別れることになって。わたしは「時速150km/hのカットボールってヤンキースのクローザー・リベラだよね……」としか言えなかった。

吉田:
リベラは関係ないですよね(笑)。

岸田さん:
わたしは彼のために、おもしろい話を仕入れて、落語を聞き込み、おもしろく話す方法を研究して。彼に話す前にお母さんにしゃべって「こういうオチのほうがおもしろいよ」とアドバイスをもらって、仕上げていたんですよ。

吉田:
お母さんでネタ試ししていたんですね。

岸田さん:
そりゃそうですよ。1週間に2回ぐらいしか会えないから、ムダにしたくないじゃないですか。

確かにお付き合いを始めた当初は、それまで誰にも話を聞いてもらえなかったから、笑ってもらえるのが本当に気持ち良かった。でも、いつの間にか「おもしろい」と喜んでくれる彼のためにピエロを演じるようになっていたんです。悲しきピエロ。

吉田:
それを思い出したんですね(笑)。

岸田さん:
すみません。どうでもいい話です。

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吉田:
いや、それにしてもすごい才能ですよ。そういえば、岸田さんの肩書きが「作家」なのって理由があるんですか?「ライター」でも良さそう。

岸田さん:
もともとは「エッセイイスト」と「ライター」にしようと思っていたんですが、佐渡島さんが「作家にして」と。

正直賛否両論はありますよ。たまに嫌味を言われることもありますし。以前取材を受けたとき「肩書きを『作家』ではなく『ライター』に直していいですか?」と言われて。

わたしは特にこだわりがないので「全然構わないです」と。ただ「理由だけ教えてください」と伝えると「作家は常に書籍を出してベストセラーになっている方たちのことです。あの林真理子さんも『直木賞をとってからじゃないと作家は名乗らない』とおっしゃってて、いまの岸田さんだと恥ずかしい想いをされると思うんですよね」と言われて……。

吉田:
マジで余計なお世話ですね。

岸田さん:
そのことを佐渡島さんに伝えたら「岸田さんは生き方自体が作品的なところがあるから、今後note以外に書籍やしゃべりで何か発表することもあると思う。ライターだとどうしてもひとから頼まれて文章を書くひとになってしまう。自分の物語をつくっていってほしいから、岸田さんは作家なんだよ」と言ってくれて。「先に言ってよ〜〜!!」って。

「生き方自体が作品」なんて自分で言ったら、ライター界隈から叩かれそうだけど(笑)。

吉田:
そうなんですか? ぼくはすごく納得感ありますよ。いい肩書きです。

岸田さん:
よかった〜。わたし、ワンチャン今年あたり紅白の審査員やる可能性があると思うんですよね。令和にnoteで一番成功した女、として。あの審査員席に「ライター」で座っているイメージがあまりなくて(笑)。

吉田:
確かに、紅白の審査員席は「作家」ですね(笑)。そう考えると肩書きって大事ですね。

岸田さん:
吉田さんは「アナウンサー」ですが、いろいろやってますよね。VTuberとか。

吉田:
ぼくは「アナウンサー」の肩書きを悪用しているんです。アナウンサーのおもしろいところは、どこにいても納得してもらえるところ。たとえば深夜ラジオでしゃべっていても、歌番組の司会をやっていても、災害や選挙の現場にいても妙な納得感がある。ところが芸人さんが災害現場にいると若干の違和感はありますよね。「アナウンサー」という肩書きが、いろんなところへ足を運ばせてくれるんです。

わたしは、阿川佐和子にはなれないから

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吉田:
お話をうかがっていると、一生作家として駆け抜けそうな印象を受けるんですが、本人としてはあまり余裕に感じていない様子ですよね。

岸田さん:
まったく余裕はないですね(笑)。わたしは昔から3ヶ月先の予定がそのとおりにいったことないんですよ。会社を辞めると決めたのも1ヶ月前で、noteのサポートが少し入ったくらいで収入らしい収入はない状況だったし。

でも、そもそもを立ち返ればお母さんが病気で倒れたことも、お父さんが死んだことも、弟がダウン症だったことも、全部予定どおりにいかなかったことなんですよね。ブラジャーのnoteがバズったことも、ルンバがスズメバチを吸い込んだことも。

吉田:
そのとおりにいくわけないですよね。1年前に誰ひとりとしてコロナのことを予測できていなかったように。岸田さんは、将来に不安を感じていますか?

岸田さん:
不安ですよ。5Gに移行したら、みんな動画を観ますよね。

わたしの文章を読んでくれているひとたちって、古き良きテキストサイト好きが多いんです。それこそ、ほぼ日ができた頃から読んでくれているようなひとたちが懐かしがってくれている。

一方で前澤友作さんのように「1000文字以上の文章は読まない」というひとたちもめちゃめちゃ増えてきている。わたしの文章は、行間の取り方や一文の短さで読んでもらえているかもしれないけど、YouTuberレベルにファンを増やしていくことは相当難しいでしょうね。

吉田:
確かに文章よりも動画のほうが脳に負担はかかりませんからね。

岸田さん:
そういう意味でも、noteはすごく新しかった。SNSでのシェアしやすさに加えて、画像も入れやすいしスマホに最適化されたUIでいまの時代に適した見せ方ができたので。

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加えて、わたしの強みは、文章を書くスピードの速さなんです。その日に起こったことをすぐに書いて、読者の反応を見て続編を仕込んで……みたいなスピード感が、SNSとの相性が良くてバズにもつながったと思っています。

でも、今後一生このスタイルでやっていけるかはわからない。たぶんもっとおもしろい書き手は出てくるし……。

吉田:
アウトプットにおいては卓越した才能と能力があるんだから、あとはインプットの力を鍛えれば一生困ることはないと思うんですが……noteでは「突撃!岸田の文ごはん」というコーナーでコピーライターさんに話を聞きに行かれていますよね。

岸田さん:
吉田さん……。

吉田:
はい?

岸田さん:
わたし、業界のなかでトップでい続けたいんですよ。モテたい。愛されたい。世界を手に入れたい。常に枯渇している餓狼の王なんです。

吉田:
は、はい。

岸田さん:
インタビューして書くひとはすごくたくさんいるじゃないですか。インタビューが上手な阿川佐和子さんを見ていると「自分にはできない」と思ってしまうんです。なぜなら、聞くことが上手ではないから。わたしは阿川佐和子さんにはなれないんです。

かと言って、村上春樹さんのように文学でも勝負できない。とくに文学の世界は老舗が動かないですからね。

吉田:
作品は残り続けますしね。

岸田さん:
だから「自分には掛け算しかない」と思ったんです。「誰も攻めていない領域」に「文章」で攻めていく。そこで思いついたのが、キナリ杯という文章コンテストでした。

総数4200作品の文章をすべてひとりで読んで、各賞50作品を選んでいく。いままで私設の文章コンテストをやったことがあるひとがいなかったので、すごく注目してもらえたんです。賞金もカンパしてもらえて、かなりインパクトは残せたと思います。

先へいくと、パイオニアは目立つんですよね。失敗しても「最初だから仕方ない」って甘く見てもらえる。だから、そういう生き方をしていこうと思います。不安は不安ですけど、やはり、王たるものは未開の地を攻めないと(笑)。

吉田:
ぼくとは発想が逆ですね。コミュニケーションについて勉強したのも、アナウンサーとして生き残るためにやらざるを得なかっただけですから。

ぼくがいろいろやっているのは、なにも「王になりたいから」ではない。もちろん会社もそれを意図しているわけではない。目の前にあるおもしろそうなことをやり続けていた先にいまがあるだけなんです。毎日の番組も「おもしろいこと起きないかな」と思って回していますし、カオス化するのであればどんどんそっちを目指したい。

人類はツッコミ教習所に通うべき

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岸田さん:
そういえば、いま警察署で1年かけて免許を取得しているんです。

吉田:
また新しい話題が出てきた(笑)。

岸田さん:
じつはわざわざ教習所へ行かなくても、警察署で仮免の筆記・実技、本免の筆記・実技をクリアしたら免許を取得できるんですよ。難易度はめちゃめちゃ高いけど。

吉田:
しかし、なぜ警察署に? 教習所じゃないんですか?

岸田さん:
わたしも大学生の頃教習所へ通っていたんですが、試験の日を間違えて免許がパーになってしまって。親に30万円も出してもらっていたのに……。

この年になると、いざというときクルマを運転できないと不便だと思うようになって。でも、一度30万円は払っているから、教習所に通いたくない。「2回も30万円払うのは負けだ」と。そこで、試験代2万円ぐらいで取得できる警察署にしました。

吉田:
合格すれば、ですけどね。

岸田さん:
そのとおり。わたしのなかでは司法試験よりも難易度が高いです。だから、せめて無認可の教習所で試験に受かりやすい運転技術だけを学ぼうと思って、6万円ぐらいで大久保の教習所へ行きました。

この話の詳細はnoteに書いてあるのでぜひ読んでほしいのですが、結局警察署の試験では6回くらい不合格で。いよいよ「これに不合格だったら期限が切れる」というラストチャンスの日、当日のコース上空をヘリコプターが飛び交っているんです。

吉田:
え?

岸田さん:
大井競馬場から馬が逃げ出してしまってコース封鎖という。

吉田:
いや〜、本当に引きが強いんですね!

岸田さん:
でも、そのことをTwitterに写真付きで投稿したら「この非常事態に写真撮るな」「手伝え」「これだからインフルエンサーは……」と散々な言われようで……。

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吉田:
それはお気の毒に……で、えっと、なんの話でしたっけ?

岸田さん:
「免許制には意味がある」という話です。

吉田:
え??

岸田さん:
今日、どうしてもお話ししたかったのが、本でも触れられている「ツッコミ」についてです。わたしも関西出身で、ボケ・ツッコミ文化で育ってきたのですが、ツッコミって敬意と興味なんですよね。このふたつが欠けたものは、ツッコミとは言わない。

わたしの偏見かもしれないのですが、とくにTwitterは「うまくツッコめるか」みたいな文化になってきていますよね。心ない大喜利文化が蔓延しているというか。でも、ツッコミってボケを殺してしまうリスクがあるんです。

吉田
おっしゃるとおりですね。

岸田さん:
わたしは本当におもしろい話に、ツッコミはいらないと思っています。ボケ続ければおもしろくなるのに、ツッコむことで話が終わってしまう。ツッコんでいるひとが手柄を取っていく感じになるのにも違和感があるし。

吉田:
ツッコミってボケと比べて楽ですからね。

岸田さん:
それなのに、ツッコミのうまいひとって全然いないんですよね。

この本にも書かれていますが、ツッコミってリスクを背負うべきなんです。自分の常識が問われているという覚悟が足りないひとが多すぎるんですよね。ツッコミを通じて、自分がおもしろいと思われようとしているだけというか。

吉田:
「俺の話を聞け」系ツッコミはよくないですね。

岸田さん:
「ツッコミでウケてやろう」という欲望は捨て去るべき。ツッコミは、訓練されたツッコマーに任せればいいんです。それ以外はリアクションを磨けばいい。どうしてもツッコミをしたいひとはツッコミ教習所に通って、免許を取得するシステムにしてほしいですね。

吉田:
ここで教習所の話とつながるわけか(笑)。

岸田さん:
「ボケを殺す」は重罪ですからね。

吉田:
そういえば、ぼくにも新人時代「フルメタル・ジャケット」のハートマン軍曹みたいなひとがいましたね……(遠い目)。

岸田さん:
でも、「1億人をいきなり教習所に通わせることなんてできないから、せめてこの本を読んでいただきたい」という結論でどうでしょう?

吉田:
めちゃめちゃいい感じにまとめていただきましたね! 次はぜひラジオにも出てほしいです! ラジオパーソナリティーの才能をめちゃめちゃ感じるので。今日はたくさん話してくれて、ありがとうございました!

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文・写真 田中嘉人
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あなたのことも知りたいです!
ニッポン放送アナウンサーの吉田尚記ですー。