ディスカッションパートナーって何をしている人なの?
DaaS (Discussion as a Service)という本の一節です。
良かったらどうぞ!
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私の”ナリワイ”はディスカッションパートナーです。
というと、大体の人が「それはどういう仕事?」という顔をします。
そこで私はベンチャー企業やスタートアップの創業者と新規事業の壁打ち相手をするのが仕事です。
ディスカッションパートナーの実務
【黒田さん】
ディスカッションパートナーは、週に1回~2回2時間程度の定例MTGを開催してもらい、そこに参画します。基本的には以上です。
議事録を取ったり事前に資料を用意したり、成果物を納品することもありません。ホワイトボードで議論を整理するので、議事録としてはそれを撮影して終了です。
【部長】
黒田さんは1人ですが、部長は元々ディスカッションが得意だと思ったことがないので大抵どなたかの力を借りています。
ディスカッションがやりたいというよりも、「古谷さんが軽く考えたことを自分なりに『事業化』したらどうなるんだろう」というモチベーションの方が強いです。
恐らく自分はディスカッションよりも「新規事業の立ち上げ」の実務的な方が向いていると思うからです。
得意分野によって別の方をアサインすることもよくあります。
具体的な議論の方向性としては以下のとおりです。【黒田さん】
◆デザイン(構想):
ユーザーにとって最も価値のあるサービス・プロダクトを構想します。
ユーザー中心の発想を用い、観察・分析・統合・具現を行き来しながら全体像を明確にするファシリテーションを行います。
◆ビジネス(商売):
ユーザーに提供する価値を利益に変える仕組みを構築します。
市場や競合を意識した戦略で利益を出し、再度事業への投資を行うことで社会への影響力を最大化するシナリオを定めます。
◆エンジニアリング(実現):
事業を実現するための技術仕様を検討します。
デザイン的視点とビジネス的視点の双方から具体的なユーザー体験を想定し、サービス仕様と人的運用を策定します。
さて、そんなディスカッションパートナーはクライアントにどんな価値を提供しているのでしょうか?
その1.第三者的な視点の提供
最も大きな役割の1つがこの視点の提供でしょう。創業者は自らの事業に対して愛着や執着を持っている場合があります。そこまでではない場合でも、人間は認知バイアスにかかるものなので、モノゴトを正しく意味付けしたり判断したりできなくなるときがあります。
そのときの創業者の相談役として、ディスカッションを通じて新たな知見や第三者の視点を提供していきます。
その2.ペースメーカー
リスク分散のために複業的に新規事業を立ち上げる創業者もいます。これまでにもサイドプロジェクトから立ち上がって成功するスタートアップが存在するので、私はこのやり方に賛成です。既存事業がある企業でも同様のスタイルで新規事業を立ち上げることがあります。
しかし、このやり方には難点もあります。サイドプロジェクトの扱いになると本業の方に時間や注意を取られてしまい、新規事業のプロジェクトを計画通りに進められないケースが出てくるのです。
そういったときに、ディスカッションパートナーはペースメーカーの役目を担うことができます。定期的にディスカッションする時間を取ることで、「この日までにあのタスクを完了させなければ」という風にタスクと向き合うきっかけになります。
その3.他業種他業界との繋がり
ITベンチャーを始めとして様々な業界と領域で事業のディスカッションをしてきた経験から、創業者の視野に入っていなかった成功事例や注意すべきポイントを伝えることができます。
まとめ
黒田さんは勿論凄いのですが、議論メシの他の面々も結構議論出来るので、得意分野によってスポットライトを当てられることの方が自分は興味があります。
「皆勝手に名乗っても良いのではないのでしょうか」と思っているくらいです(黒田さんに怒られない程度に。)
何故なら「プロ」というのは、「相手からお金を頂く」と思った瞬間からプロなのですから。