【ショートショート】人霊不可侵条約の破棄
神武天皇が霊界と交わしたとされる三世の契りが『人霊不可侵条約』と改名し脈々と現在に引き継がれて2600年余り。
国民にはその存在自体が極秘として周知されていなかったが、政府は唐突に条約の存在を発表し、同時にそれらが一方的に破棄されたとした。
条約には現世側への不可侵として幽霊は姿を見せない決まりだったが、ある日を境に鮮明に幽霊が見えるようになった。
心霊写真の概念が変わり被写体と肩を並べ、くっきり幽霊が映り込む様になった。
「思ってたのとなんか違う」との言葉を最後に霊が見える