【ショートショート】杉浦星
「杉浦さーん」私の名が呼ばれる。
人生初の人間ドック。
緊張しながらこれまた人生初の胃カメラを飲み込む。
「え」
モニターを凝視する医者は、思わず漏れた声を置き土産に血相を変え診察室を飛び出した。
呆然が襲いかかり不安が纏わりついてくる頃、白衣を脱ぎスーツ姿の医師が戻ってきた。
「杉浦さん。大学病院で再検査しますので私と一緒に来てください」
ろくな説明も無いまま医院玄関に横付けされた車に強引にねじ込まれた。
診察室に入ってからこの間僅か15分足らず。
この異常事態に説明を求め